令和2年度 医工連携セミナー 開催レポート

【医工連携セミナー】AI(人工知能)の画像診断への応用 ※オンライン開催

日時 5月12日(火)17時00分~18時50分
内容

(一社)日本画像医療システム工業会の舟橋毅氏からは医療分野におけるAI(人工知能)の歴史、現在の課題と今後の活用の可能性についてお話いただきました。第3世代のAIでは質の高い大量のデータを必要としましたが、第4世代では個人の多様なデータの整備、それらを活用できる仕組みの構築により、情報を使えるようにすることが重要であると学びました。(株)アルムの坂野哲平氏からは、新型コロナウイルス感染症による世界の動向を踏まえ、国内外で新たなビジネスを展開するため、いままさに検討していることをお話しいただきました。危機をチャンスに変えるための着眼点を学びました。

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【医工連携セミナー】工学系若手研究者が語る医歯工連携のいまとこれから
※オンライン開催

日時 6月19日(金)16時00分~17時50分
内容

東京医科歯科大学生体材料工学研究所の影近弘之所長から同研究所のミッション、取組内容をご紹介いただいたうえで、横井太史准教授、川瀬利弘助教、辻耕平助教から各分野を代表する研究テーマをお話いただきました。横井先生からはリン酸カルシウムの人工骨とチタン製の人工歯根の開発、川瀬先生からは人とロボットの巧みさを生かした医療デバイスの開発、辻先生からはプロテインキナーゼをターゲットとした医薬品研究開発についてご説明いただきました。次世代の研究開発を担う若手研究者との出会いはアカデミアとの連携の機会を得るうえで大変重要です。

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【医工連携セミナー】医療界と産業界の連携のみらい ※オンライン開催

日時 7月9日(木)17時30分~19時20分
内容

森ノ宮医療大学の西垣孝行先生からはこれまでの開発経験、現在の取組内容を軸に、バイアスを外すこと、行動することの重要性をお話いただきました。コロナ禍においても、命を守る人を守ることをミッションに、臨床工学技士100人会議を開催し、COVID-19の対策を目的にニーズソンを企画するなど、自らが先頭に立ち、行動している様子が伝わってきました。京都府立医科大学大学院の島田順一先生からは医療機器開発に関わるようになった経緯から法人の立上げ、最近の開発の動向までをお話いただきました。TIK(Team In Kyoto)では、「JOIN TIK, EARN IT.」をキーワードに活動し、補助金を活用しながら、複数の開発テーマに取り組んでいます。

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【医工連携セミナー】いまこそ、学びたい医工連携 ※オンライン開催

日時 7月16日(木)17時00分~18時50分
内容

藤田医科大学の須田康一先生からは日本におけるロボット支援下内視鏡手術の歴史を踏まえ、さらなる安全、安心なロボット手術の実現とその普及に向けた課題、今後の取組方向をお話いただきました。国内のロボット手術では通信環境の改善、安定化による遠隔トレーニングの充実、トレーニングを通じたチーム全体の技術の向上等により患者にやさしい手術の実現に取り組んでいます。八戸市立市民病院の野沢義則先生からは教育機関や自治体と一緒に取り組んできた医工連携の実践事例をお話いただきました。医療者から提供されたニーズの深堀りや患者視点によるニーズの見極めの重要性を学びました。コロナ禍においても医工連携を中断することなく、これまで連携してきた地域企業の協力を得ながら開発を進める姿には勇気づけられました。

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【医工連携セミナー】医工連携の原点から次世代医療まで ※オンライン開催

日時 7月29日(水)17時00分~18時50分
内容

一般社団法人日本医工ものづくりコモンズの谷下一夫先生からは、講演のタイトルのとおり、ヒトに着目して、医工連携の推進のポイントをお話しいただきました。医学界と産業界のパートナーシップの構築、コアメンバーによるユーザーイノベーション、そのコアメンバーを集めるためのコミュニティの形成の重要性を学びました。東京女子医科大学の清水達也先生からは先端生命医科学研究所における医理工薬・産学連携の融合型の人材育成と研究開発について、過去から現在に至る取り組みをご紹介いただきました。同研究所では、社会人を対象とした医学教育を実施しており、異分野融合の人脈形成の場になっています。プログラムの修了生は、優れた医療機器の開発、発明をおこなっています。

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【医工連携セミナー】一歩先の医療機器開発への挑戦 若手研究者シーズとの出会いの場 ※オンライン開催

日時 2020年9月24日(木)16時00分~18時00分
内容

東京工業大学未来産業技術研究所の大竹尚登所長からは同研究所のミッション、12の研究コアと5つの大型産学連携研究、脱コロナ禍研究プロジェクトについて紹介いただきました。田原正樹先生からは形状記憶合金の歴史、医療分野への応用における課題、その解決に向けた取り組みを中心にお話しいただきました。田島真吾先生からは工作機械やロボットの奇跡生成に関する研究内容を紹介いただいたうえで、医療分野のロボット技術への応用の可能性を説明いただきました。最先端の制御技術を活用できれば、正確性、安全性、さらには高速化された医療ロボットの実現の可能性が高まることを知りました。韓冬先生からは薄膜永久磁石を用いたマイクロポンプや誘起磁性材料を用いた光・磁気駆動マイクロアクチュエータの研究動向を紹介いただきました。一般社団法人日本医工ものづくりコモンズの谷下一夫先生の講評では、工学領域の基礎研究は医療機器開発において必要とされており、良質な開発案件にはしっかりとした基礎研究の成果が活用されていることが強調されました。

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【医工連携セミナー】医療機器開発のみらいをつくるシーズ 若手研究者シーズとの出会いの場 ※オンライン開催

日時 2020年10月29日(木)16時00分~17時20分
内容

広島大学ナノデバイス・バイオ融合科学研究所の東清一郎所長からは同研究所の設立経緯、ミッション、基本的なフレームワークについて紹介いただきました。小出哲士先生からは胃・大腸の内視鏡診断支援システムの開発に関わるアルゴリズム、学習データの考え方、臨床試験での評価・検証結果をお話しいただきました。画像診断は医師の知識・経験に依存しやすく、こうしたシステムの実用化が望まれます。石川智己先生からは。乳がん早期検診法への応用が期待されるマイクロ波イメージングについてお話しいただきました。マイクロ波イメージングの映像化のアルゴリズムの種類、特徴、解決すべき課題を学びました。広島大学の研究グループは、レーダー方式による携帯型検診装置を開発し、パイロット臨床を通じて腫瘍探知の可能性が示唆される結果を得ています。一般社団法人日本医工ものづくりコモンズの谷下一夫先生の講評では、医療機器開発における小出哲士先生、石川智己先生の研究内容の意義を的確かつ平易な言葉で説明いただきました。

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【医工連携セミナー】デザインと医療機器開発 ※オンライン開催

日時 2020年11月16日(月)17時00分~17時50分
内容

女子美術大学の松本博子先生から、デザインとは単に色、形の美しさ、使いやすさを追求するだけではなく、ユーザー視点で課題を見つけ、解決することであると学びました。ユーザーは製品を通じた体験に価値を見出しています。様々な領域の開発者が関わる製品開発では、ペルソナ(典型的なユーザー像)、カスタマージャーニーマップ(ユーザーの体験と行動の可視化)といったツールを上手く活用しながら、ユーザーの体験価値をカタチにしていきます。多様な人材の共創は、固定概念にとらわれず、新しい価値を生み出すことにつながります。

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【医工連携セミナー】途上国の医療課題への解決に向けて ~コロナ禍でも挑戦し続ける医師、企業の取り組み~ ※オンライン開催

日時 2020年11月18日(水)13時00分~14時15分
内容

石井病院の笠井裕一先生からは、海外において日本の医師免許証で働いている実体験をもとに、タイ、ミャンマーを中心とした医療現場の実情をお話しいただきました。日本の医師免許証では、数か国を除いて、医療行為をおこない、報酬を得るためには、それぞれの国の医師免許証を取得する必要があります。海外において医師として働き続けるためには何よりも情熱が大切であるという言葉が印象的でした。株式会社大同工業所の大桐伸介氏からは、JICAの中小企業海外展開支援事業 普及実証事業に採択された案件を中心に、途上国の血液事業における取り組みを紹介いただきました。同社では市場の拡大だけでなく、自社の技術、製品の導入により、展開国の血液事業を取り巻く課題を解決したいと考えています。コロナ禍においてはオンライン会議システム、動画コンテンツ等のツールを活用しながら、関係機関との連携強化に努めています。

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【医工連携セミナー】これだけは知っておきたい医療機器の規制対応 ※オンライン開催

日時 2020年12月8日(火)17時00分~19時00分
内容

株式会社イーコンプライアンスの村山浩一先生から、医療機器の設計開発及び申請に関する規制要件を説明いただきました。医療機器は医薬品と違い、頻繁にモデルチェンジをおこないます。医療機器開発では申請戦略が重要であり、そのストーリーに合ったエビデンス、申請書を準備することが求められます。医療機器はQOLの改善を目的に、品質、安全性、有効性が重要視されることを再認識しました。また、講義では、デジタルセラピューティクス(DTx)といった新しい治療、診断について、海外の事例を含めて、最新の動向を学びました。

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【医工連携セミナー】光の尖端都市「浜松」発のシーズ 若手研究者シーズとの出会いの場 ※オンライン開催

日時 2020年12月9日(水)16時00分~18時00分
内容

静岡大学電子工学研究所の三村秀典所長からは同研究所の歴史、取組成果を紹介いただきました。安富啓太先生からは通常のカメラに光源を同期することで高速でカメラの電子シャッタ―を切れる「時間分解イメージング」、光の速度をもとに距離を求める手法である「タイムフライト距離イメージング」について紹介いただきました。庭山雅嗣先生からは空間分解分光法(SRS)の特徴、超薄型センサや脳埋め込みセンサ、多チャネル脳酸素モニタ等への応用について説明いただきました。佐々木哲朗先生からはテラヘルツレーザー分光光源技術について、医薬品検査への応用事例をもとに、分光分析や分光イメージングへの活用の可能性を紹介いただきました。

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【医工連携セミナー】深化する医工連携~コロナ禍における新たな連携のかたち~ ※オンライン開催

日時 2020年12月14日(月)14時00分~15時50分
内容

大分大学の穴井博文先生からは大分大学における産学官連携事業を紹介いただきました。大分県と連携し、県内企業による医療機器開発支援を積極的に進めています。コロナ禍においては医療現場実習や対面でのセミナーの実施が難しかった一方でオンライン会議システムの活用など工夫を凝らすことで企業の参画を促しています。鳥取大学の植木賢先生からは大学病院と地域企業との連携による医療機器開発の実践事例を紹介いただきました。コロナ禍においてはこれまでに培ってきた企業とのネットワークを活用し、フェイスシールドや飛沫防止ボックスなどの早期開発を実現しました。様々な職種の医療従事者、多様な業種の企業との連携を通じて、新しい価値の創造につなげていることを学びました。

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【医工連携セミナー】with / after コロナの医工連携 ※オンライン開催

日時 2021年1月14日(木)17時00分~18時50分
内容

オルバヘルスケアホールディングス(株)の前島洋平氏からは医療機器販売業の特性、医工連携における役割についてお話しいただきました。同社では、臨床現場と製販企業との橋渡しだけでなく、様々な診療科への多種多様な製品の取引実績より培われた経験、ノウハウをもとに、コロナ禍においても製販企業との共同開発を積極的に進めています。Withコロナの時代における新しい医工連携のありかたを学びました。岡山大学大学院の亀川哲志先生からはCTガイド下針穿刺ロボット(Zerobot)の開発について紹介いただきました。亀川先生はヘビ型ロボットやレスキューロボットの開発に長年、従事されています。それまで医療用ロボットの開発経験はなく、Zerobotの開発にあたっては学内の医療従事者の協力を得ながら、医師主導治験までたどり着きました。アカデミア主導による医工連携の成功事例として学ぶべきことが多くありました。

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【医工連携セミナー】素材商社が実践する医工連携のかたち~コロナ禍における医療者との連携事例~ ※オンライン開催

日時 2021年1月22日(金)17時00分~18時00分
内容

新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、東京都医工連携HUB機構では感染症対策に関する臨床ニーズについて積極的にマッチングを進めてきました。埼玉医科大学国際医療センターの松田真太郎先生から医療機器の操作パネルからの感染を防止したいといった臨床ニーズが提供されたところ、合成樹脂素材の調達・販売、商品の開発・加工を得意とする(株)三洋が開発に手をあげ、短期間で製品化しました。松田先生は開発にあたり、医療機器の汚染度に関するデータを収集、分析し、設計図を作成しました。(株)三洋はこうした情報をもとに、素材や形状の提案、試作をおこないました。本案件の成功のポイントとして、担当コーディネーターから、臨床的意義、松田先生の熱意と協力、(株)三洋の医工連携への理解と技術力といったことがあげられました。また、コロナ禍であってもオンライン会議システムを上手く使いながら開発を進められることを学びました。

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【医工連携セミナー】臨床現場発 最先端の医療機器開発の歩み ※オンライン開催

日時 2021年3月16日(火)18時00分~19時30分
内容

国立がん研究センター中央病院の斎藤豊先生からは、内視鏡センターとの連携による、内視鏡医のニーズを起点とする医療機器開発の実績を多数ご紹介いただきました。内視鏡医は医療機器の改良・開発に係るニーズを持っており、中小ものづくり企業による参画の可能性があります。国立がん研究センター東病院の竹下修由先生からは同病院における医療機器開発支援の取り組みをお話しいただきました。特に、人材育成、POC取得支援、事業化に向けた出口戦略に力を入れています。また、関連学会と連携し、内視鏡外科手術動画データベースの構築に取り組むなど、データベース活用事業への展開を検討しています。

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