令和4年度 医工連携セミナー 開催レポート

【医工連携セミナー】AI技術を活用した医療画像診断の最前線
 ※オンライン開催

日時 2022年5月27日(金)16時00分~18時00分
内容

一般社団法人日本画像医療システム工業会 産業戦略室 専任部長 舟橋 毅氏からは、「人工知能の医療画像診断への応用と課題-データ利活用と市販後学習を中心に-」という演題でご講演いただきました。医療機器プログラムの定義、認可を受けた医療機器プログラムの状況、人工知能を搭載した医療機器プログラム、開発における患者データの利活用、市場投入後の学習等についてお話をいただきました。株式会社エムネス取締役副会長ファウンダーで放射線診断専門医の北村 直幸氏からは、「遠隔画像診断が導くAI活用と新たな医療プラットフォーム」という演題でご講演いただきました。同社では、クラウドを活用し、放射線診断専門医、画像診断支援AIプラットフォームと連携した遠隔画像診断事業を展開しています。国内のCT・MRIの台数に対して放射線診断専門医が圧倒的に不足している現状、遠隔画像診断の変遷、人工知能による画像診断支援への期待や課題について、医師の立場からお話をいただきました。お二人の講師による講演後、一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下 一夫氏から、画像診断における人工知能利用の進展に対する期待や解決すべき課題について総括が述べられました。質疑応答では、人工知能の市販後学習や患者データの取り扱いについて多くの質問が寄せられました。

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【医工連携セミナー】これだけは押さえたい医療機器の保険収載【前編】
 ※オンライン開催

日時 2022年6月16日(木)16時00分~17時30分
内容

薬事コンサルタントの河原 敦氏をお招きし、「医療機器の保険収載の基礎1〜医療機器の保険上の評価制度〜」という演題でご講演いただきました。保険収載のセミナーは2回に分けて開催し、その第1回目となります。医療機器が保険収載されるためには「保険適用希望」をおこなう必要があります。保険適用の法的な位置づけ、保険適用希望から保険収載までのプロセス、保険適用の対象となる医療機器、保険適用の区分、薬機法上の承認との関係など事例を交え、ポイントをご紹介いただきました。また、診療報酬改定について、その枠組み、改訂のプロセス、最近の傾向について具体的事例を交え、ポイントをご紹介いただきました。

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【医工連携セミナー】これだけは押さえたい医療機器の保険収載【後編】
 ※オンライン開催

日時 2022年6月23日(木)16時00分~17時30分
内容

薬事コンサルタントの河原 敦氏をお招きし「医療機器の保険収載の基礎2〜医療機器の保険収載戦略〜」という演題でご講演いただきました。前編に続く後編として、医療機器の開発・導入計画と保険適用戦略、プログラム医療機器の保険適用、保険適用の難度の高い医療機器など保険適用希望等に関する戦略上の要点についてご紹介いただきました。また、令和4年度診療報酬改定について、とくにプログラム医療機器の保険適用を中心に、そのポイントや留意点について解説されました。
一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下 一夫氏の総括では、医療現場のニーズを具現化、実用化するうえで、早い段階で保険収載という「出口」を見据え、戦略を立案することの重要性が触れられました。

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【医工連携セミナー】これだけは知っておきたい医薬品医療機器等法の基礎
 ※オンライン開催

日時 2022年7月6日(水)16時00分~17時30分
内容

一般社団法人米国医療機器・IVD工業会 薬事・品質保証(RAQA)委員会 副委員長、診断・治療機器委員会 副委員長の大竹 正規氏をお招きし、「医薬品医療機器等法の基礎~基本と動向、押さえるべきポイント~」というテーマでご講義いただきました。 薬機法の基本、医療機器の特徴、クラス分類から申請区分、手続きの全体像が解説されました。また、最近の診療報酬の方向性も紹介。講義のまとめでは、ゴールは新しいビジネスを開始することではなく継続可能なビジネスに育てることであるとし、ゴールを見据えたリバースプランニングの重要性が強調されました。 質疑応答の後の講義の総括では、一般社団法人日本医工ものづくりコモンズの谷下 一夫氏からも、リバースプランニングの視点を持つことの重要性が語られました。

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【医工連携セミナー】これだけは押さえたい医療機器の規制対応
 ※オンライン開催

日時 2022年7月29日(金)16時00分~18時00分
内容

株式会社イーコンプライアンス 代表取締役 村山 浩一氏をお招きし、「これだけは知っておきたい医療機器の規制対応~品質、有効性及び安全性の確保~」というテーマで、医療機器のリスクマネジメントについて解説いただきました。法規制の役割を、良質かつ高度な医療製品を国民に提供するという視点(アクセル)と、医療機器の安全性と効果効能を規制することで、国民の健康被害を防止するという視点(ブレーキ)に整理され、主に、ブレーキの視点での内容でした。 医療機器の種類から基本要件基準、品質、安全性、有効性、医療機器申請まで広くカバーする中で、近年、ベンチャーの参入が増えているデジタルセラピューティクス(DTx)の動向なども紹介。セミナー終盤では、医療機器の申請と当局査察についての解説があり、各設計文書を申請戦略に基づいて作成する重要性が強調されました。 村山氏の講演の後、一般社団法人日本医工ものづくりコモンズの谷下 一夫氏による総括では、リスク分析、安全性、有効性において、工学的な設計の完成度と医療現場で求められる直感的な操作性に生じうるギャップを解消することの課題と、出口を見据えて的確なゴールに近づくために精緻な申請戦略を立てることの重要性が語られました。

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【医工連携セミナー】医療機器分野への参入・医工連携の実践
 ※オンライン開催

日時 2022年8月4日(金)16時00分~18時00分
内容

医工連携に取り組む企業3社から講師をお招きし、新規参入と新たな事業展開等についてお話しいただきました。
合成樹脂加工商社として70年以上の歴史がある株式会社三洋の国内事業推進課で医工連携に取り組む菊地 貴裕氏からは「医療機器分野への参入・医工連携の実践」 をテーマにした講演の中で、素材や加工技術など自社の得意分野を活かし、どのように医療分野に参入したのかが紹介されました。参入の過程で、法規制や医療ニーズに対応する難しさに直面しながら開発に取り組んだ製品が紹介されました。
続いて、プラスチック成形技術で医療機器産業に参入した安井株式会社 開発部の波田野 真人氏からは「医療機器分野への参入・医工連携の実践~参入、機器開発における苦労話」をテーマにご講演いただきました。数ある医療ニーズから開発テーマを選定するプロセス、開発から上市、さらには上市後の海外展開への流れに加え、それぞれの段階で直面した課題に対する対処などが具体的に語られました。
最後に、医工連携に積極的な製販企業としても知られる株式会社フジタ医科器械の代表取締役 前多 宏信氏に「一周回って社内に集積した失敗から学ぶ医工連携に関するノウハウ」 をテーマにご講演いただきました。一問一答スタイルで失敗からの学びを、ニーズ収集、秘密保持や知的財産、試作製造、臨床評価、公的資金獲得、海外での展示会出展など実際に起こり得る検討課題を挙げながら共有いただきました。
講演の後には「医療機器製造販売業を取得したのは、参入を決めたときか、開発を始めてからか」「各国の法規制をどのように調べているのか」「たくさんの部品を使う中で、部材メーカーとの調整で苦労したこと」など、講義の内容を深掘りする質疑応答がおこなわれました。

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【医工連携セミナー】最近の脊椎脊髄外科手術の実際~医工連携の一助として~
 ※オンライン開催

日時 2022年8月31日(水)16時00分~17時30分
内容

医療法人愛仁会亀田第一病院 新潟脊椎外科センター センター長の長谷川 和宏氏をお迎えし「最近の脊椎脊髄外科手術の実際~医工連携の一助として~」をテーマにご講演いただきました。脊椎脊髄外科手術は、極めて広範にわたる手術であり、手術の術式に合わせた多様な機器が必要であることから、多くの企業に新規参入の可能性があるのではという長谷川氏の考えのもと、実際の手術の動画や手術で使われる医療機器が多数紹介されました。良い手術を実現するために、工学者の協力を得て脊髄神経のモニタリングをするなど様々な工夫を重ねておられます。また、狭窄症など病気の症状やその治療についての詳しい解説もありました。講演の最後に、医工連携に取り組む企業に対し、評価機器や精緻な手術機器、日本人向けの洗練されたインプラントの開発等、医療機器の日進月歩に期待を示されました。一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下 一夫氏からは、医学と工学の連携で生体力学的なアプローチで常により良い手術を目指す長谷川氏をはじめとする新潟脊椎外科センターの取り組みに対し、医療者と工学者が一箇所に集まり継続的にディスカッションをすることの意義と重要性が語られました。質疑応答では、神経についての解剖学的構造やインプラントを使った手術、学会で話題になっていることなど様々な質問に対し、丁寧に解説いただきました。インプラントの他、計測技術、診断、手術計画のシミュレーション、内視鏡の処置具、鋼製小物など、実に多岐にわたるアプローチがこの領域で活かされていることへの理解を深める質疑応答となりました。

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【医工連携セミナー】クラウドファンディングを活用した医療機器開発 ~乳がん手術後の乳房再建やリンパ浮腫治療を支える手術支援ロボットの開発~
 ※オンライン開催

日時 2022年9月22日(木)16時00分~17時30分
内容

九州大学病院 形成外科 診療科長 准教授 門田 英輝先生をお招きし、『クラウドファンディングを活用した医療機器開発 ~乳がん手術後の乳房再建やリンパ浮腫治療を支える手術支援ロボットの開発~』についてご講演いただきました。講演の前半では、マイクロサージャリーの動向を解説し、先行する海外製のロボットを実際に使った感想を踏まえ、5年前から取り組んでいる微細な血管やリンパ管をつなぐロボット開発の経緯について紹介されました。ロボットがきめ細やかに動くことと、臨床的な使いやすさにはギャップがあり、針の刺しやすさや糸の結びやすさ、医師が求める適度な強度などを工学者がロボットで表現する難しさを知る機会となりました。後半では、クラウドファンディングの実際についてお話しいただきました。開発5年目となる2021年9月に公的資金が不足する事態に直面し、開発を途絶えさせない補完財源としてクラウドファンディングを選択。ご自身でも積極的に広報活動をしたところ、患者さんのご家族はじめ、社会から切実な応援の言葉が届いたことに勇気づけられたエピソードも共有されました。一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏からは、医師の目の位置を固定する顕微鏡下手術では、無理な姿勢をとることが多く、医師の首の頚椎に負担がかかるといった、形成外科自身が抱える課題に触れ、医師の寿命を守る医工連携も不可欠であるとのコメントが寄せられました。質疑応答では、海外製と九州大学で開発中のロボットの違いについてや、クラウドファンディングをもっと活用しやすくなるようなアイデアなどが話題になりました。

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【医工連携セミナー】医療機器開発におけるサイバーセキュリティ
 ※オンライン開催

日時 2022年10月19日(水)16時00分~17時40分
内容

一般社団法人 日本医療機器産業連合会 医療機器サイバーセキュリティ対応ワーキンググループ主査 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 総合企画センター経営企画部 参与 中里 俊章氏をお招きし、『医療機器開発におけるサイバーセキュリティ』というテーマでご講演をいただきました。2023年に医療機器のサイバーセキュリティが規制対象になることから、中小の医療機器メーカーが把握しておくべきポイントを解説いただきました。
医療機器のサイバーセキュリティ対応の必要性、医療機器サイバーセキュリティの規格整備と規制の動向、医療機器のサイバーセキュリティ対応のフレームワークー IMDRFサイバーセキュリティガイダンスの導入、国内におけるサイバーセキュリティ対応の今後について、お話いただきました。

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【医工連携セミナー】明日の医療技術を目指すアカデミア発ベンチャーの挑戦
 ※オンライン開催

日時 2022年12月8日(木)16時00分~18時00分
内容

静岡大学 学術院情報学領域 電子工学研究所-ナノビジョン研究部門 教授 青木 徹氏からは、「大学発の技術の活用と挑戦」 と題して、放射線センシングデバイスを開発する株式会社ANSeeN(アンシーン)の起業とその挑戦、アカデミアのシーズ活用についてご講演いただきました。自社製造のために構築した製造設備や人材、評価設備等の紹介から、開発したフラットパネルX線イメージセンサーの技術的な特徴、現在の挑戦などを、ご紹介いただきした。
東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 教授の進士 忠彦氏からは、「医療用遠心ポンプへの簡単な磁気浮上技術の応用 」と題して、患者の血液を体外に取り出し、人工肺で二酸化炭素を除去して酸素を加えて再び体内に戻す体外式模型人工肺「ECMO(エクモ)」に使われる遠心ポンプ の課題解決に向けた取り組みをご紹介いただきました。海外と国内の技術的動向にも触れつつ、研究成果を製品化するにあたって、特許や企業との連携、法規制対応などの課題についてお話しいただきました。
広島大学大学院 統合生命科学研究科 生物工学ユニット 教授の黒田 章夫氏からは「最新の医療で注目されるエクソソームの新たな回収技術 」 と題して、ペプチドという2個以上50個未満のアミノ酸が結合した短い鎖状の分子を、異なる物質同士の境界面に結合させることにより、ターゲットとする物質を蛍光検出させる技術を、医療分野に生かそうと、現在、取り組まれている研究開発についてお話しいただきました。アスベストの検出などにも活かされる技術です。黒田氏らは、細胞の情報が含まれることから、薬剤の作用機序の検証や病気の早期発見につながることが期待されるエクソソームという物質に着目し、高純度かつ大量精製することを可能にする技術の開発に取り組みます。
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 生体機能修復研究部門 バイオデザイン分野 教授 の池内 真志氏からは「精密医工学による少子高齢化社会へのソリューション」 と題して、少高齢化社会を精密医工学により変革することをミッションに取り組まれている、生殖補助医療や再生医療分野への展開とその事業化についてお話しいただきました。事業化したのは、細胞の塊を良品質で効率的に培養するプレートの開発です。医師との連携のきっかけや、用途展開、資金調達、研究室での手作りプロセスから、事業化への量産プロセスへの試行錯誤などについてお話しいただきました。
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 生体医歯工学共同研究拠点 特任教授の宮内 昭浩氏からは、技術要素ごとに事業化のポテンシャルがある中、どのように事業戦略を立てるのかや、これからは国内だけではなく海外市場を見据えた起業のあり方にも期待を寄せるコメントをいただきました。

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【医工連携セミナー】手術支援ロボットがもたらす臨床的意義や遠隔手術の進展
 ※オンライン開催

日時 2023年1月20日(金)16時00分~17時30分
内容

藤田医科大学 医学部 先端ロボット・内視鏡手術学講座 主任教授の宇山一朗氏を講師にお迎えし「手術支援ロボットがもたらす臨床的意義や遠隔手術の進展」というテーマでご講演をいただきました。
がんの根治性が最重要であり手術後のQOLへの考慮が乏しかった時代から、低侵襲、手術後のQOLを両立させる、さらには開腹手術よりも高い成績を追求してこられ、臨床現場とイノベーションと共に発展してきた歴史をお話しいただきました。
講演後は、手術支援ロボットに関する臨床エビデンスや診療報酬、内視鏡手術との関係など、活発に質疑応答が交わされました。日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏からは、国内の医療機器メーカーやものづくり企業が、技術面を含め様々な課題を乗り越え、ますますの発展が見込まれる手術支援ロボットの領域で貢献することに期待したいとのコメントがありました。

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【医工連携セミナー】プログラムの医療機器該当性について
 ※オンライン開催

日時 2023年2月8日(金)16時00分~17時30分
内容

厚生労働省 医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課の三宅晴子氏を講師にお招きし「プログラムの医療機器該当性について」をテーマにご講演いただきました。薬事法と薬機法の変遷から、プログラム医療機器の該当性の基本、該当性のガイドライン、該当性及び非該当性の事例を広く取り上げていただきました。
講演後は、多くの質問が寄せられ、中でも医療機器の該当性判断についてのディスカッションが活発におこなわれ、テーマに対する関心の高さが伺えました。

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【医工連携セミナー】医療機器開発と事業化の視点
 ※オンライン開催

日時 2023年3月1日(水)14時00分~16時00分
内容

「医療機器開発と事業化の視点」というテーマで国立がん研究センター東病院 副院長/大腸外科長 医療機器開発推進部門長の伊藤雅昭氏とオルバヘルスケアホールディングス株式会社 代表取締役社長で兵庫県立大学 特任教授の前島洋平氏を講師にお迎えしました。
伊藤氏からは「外科医が手術支援ロボットをつくるために立ち上げたスタートアップA-Tractionの着想から買収まで」をテーマにご講演をいただきました。NEXT医療機器開発センターの取り組み、自身が医療機器開発に携わってきた歴史、上市した製品に触れたのち、手術支援ロボットの開発プロジェクト発足から上市への取り組みをご紹介いただきました。当時の製品コンセプト、ロボットの原型、ベンチャー企業設立、上市に至るまで、各フェーズで実施したことやその背景、重要なポイントについてお話いただき、手術支援ロボットの開発段階においては動画を用いてわかりやすく説明していただきました。中でもニーズを検討する上では「医師とエンジニアの対等な議論が必要不可欠」であることを強調され、視聴者にとっても医療ニーズから上市までの軌跡を共に歩むような講演となりました。
前島氏からは「医療機器開発と事業化の視点-医療機器販売業の立場から-」をテーマにご講演いただきました。医療機器ディーラーの視点から、これから求められる医療機器、医療機器を開発する際にどのような連携主体を組成するのか、事業化に向けて検討すべきことなどについてお話しいただきました。市場性を知るためのポイント、医療機器開発ニーズを選定する時に求められる検討要素などを踏まえた講演となり、医療機器産業にこれから参入しようという企業や、新たな製品開発を検討する企業にとって実践的な学びの機会になりました。

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【医工連携セミナー】これからの医工連携
 ※オンライン開催

日時 2023年3月8日(水)16時00分~18時00分
内容

本年度最後の医工連携セミナーは「これからの医工連携」というテーマで、一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏と東京都医工連携HUB機構プロジェクトマネージャーの柏野聡彦の講演で締めくくりとなりました。
谷下氏からは、視聴者と一緒に日本の医療機器開発の課題を再点検、考えることを狙いとして「医工連携の成立要件を見直す」をテーマにご講演いただきました。日本医工ものづくりコモンズが発足された2009年を起点に医工連携の成果を振り返り、日本独自の医療機器開発のエコシステムを醸成する必要性を問いかける内容でした。ものづくり技術を医療機器開発に活かすことへの課題を「医」と「工」との異分野間の間に生まれがちな壁と捉え、同じことでも異なる解釈が生じる認知的壁、分野特有の慣習など社会的壁といった観点から、医工連携が進展する要件についての洞察が共有されました。
柏野プロジェクトマネージャーからは、ものづくり企業による医療機器産業への新規参入、事業拡大を円滑に進めるにあたり「製販企業ドリブンモデル」が紹介されました。医療機器分野を熟知した医療機器メーカーや医療機器ディーラー、医療機器メーカーのOB人材等と連携、対話をする中で自社の強みやPRポイントを明確にしていくなど具体的な参入、展開のステップが示されました。また、昨今、広がりつつある医工連携におけるデジタルトランスフォーメーションの動向を踏まえ、ニーズを起点とする開発プロジェクトを創出する工夫やより質の高いマッチングを実践する方法などが挙げられました。

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