東京都医工連携HUB機構

成果・実績報告

2020年

飛沫防護ドレープ

第一医科株式会社

患者さん、医療従事者、診察室をまるごと感染から防護

東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室医局長・講師 森 恵莉医師。
オンラインで取材に応える。

第一医科株式会社は、1953年に設立された耳鼻咽喉科に特化した医療機器メーカーで、無難な道より挑戦を選ぶ老舗として知られる。
平成24年度「課題解決型医療機器等開発事業」で採択された「難治性メニエール病のめまい発作を無侵襲的に軽減する医療機器の開発」では、世界で初めて鼓膜切開など侵襲を伴わない治療機器を開発した。
平成28年度医工連携事業化推進事業の「世界初の人工気管の製品化事業」でも成果を挙げる。今回、同社が手掛けたのは、鼻や喉に器具を挿入する際に、 患者さんからの飛沫飛散を防ぐドレープ。
開発のエピソードを東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室医局長で講師の森 恵莉医師と、第一医科マーケティング管理部課長の稲垣太輔さんから伺った。

2019年

AOBP血圧測定補助装置

アイフォーコム株式会社

自動診察室血圧を患者が自分で正しく測れるシステムを開発

実装イメージ(AOBP血圧測定補助装置、バーコードリーダー、
モニター、他社の血圧計がセットで使われる)

医療機器の受託開発からヘルスケア展開、自社ブランドを目指す  アイフォーコムは、「笑顔創造」を経営理念に掲げ、環境、医療、介護、教育分野でソフト/ハードウェアやネットワーク開発ソリューションを提供する。医療や介護においては心電・脳波の検査情報システムのカスタマイズや人工透析システム開発、それらを実際に医療施設に導入するための技術サポートなどを行なってきた。2018年7月に新たにヘルスケア部門を立ち上げ、医療からヘルスケアへと事業拡大を目指す。医工連携を視野に入れ、東京都医工連携HUB機構に入会したことをきっかけに始まったヘルスケア領域の製品開発がいくつかある。その一つが、患者が医療従事者の介助なく一人で正しく血圧を測る動画と血圧計からデータを無線で受けて内蔵するUSBメモリに保存する装置だ。開発の背景と狙いを同社取締役ヘルスケアカンパニー長の菊地広文さんに話を伺った。

麻酔器搭載型電子気化器

アコマ医科工業株式会社

国内初のスタンドアローン型電子気化器を開発

アコマ医科工業株式会社 取締役副社長の須賀陽介さん

アコマ医科工業株式会社は、麻酔器や人工呼吸器を中心とした医療機器を製造販売する。国内で初めてアネロイド型血圧計を製造したり、麻酔器と呼吸器を合体させた「アネスピレータ」を独自開発したりと、先進的な医療機器メーカーの老舗として知られる。1921年の創業から100年を迎えようとしている。
 今回、アコマ医科工業が開発するのは「麻酔器搭載型電子気化器」で、第3回医療機器産業参入促進助成事業に採択されている。同社取締役副社長の須賀陽介さんは海外展開プログラムにも参加するなど、海外で売れる日本製の医療機器開発を見据えた構想を描く。同社の開発状況に加え、日本の医療機器メーカーから見た医工連携の課題について話を聞いた。

企画・デザイン・設計・生産

株式会社三洋

自社技術の特性を活かせるニーズ探しの目利き力

車椅子ステップカバーを手にする三洋総合企画推進部次長の菅谷暢さん

株式会社三洋はクリアファイルや浮き輪などビニール素材の文具や遊具、抗ウイルス性シートをはじめとする建築資材など幅広い分野で製品開発、製造、販売を手がける。分野は違っても、同社の技術をベースとする創造性や便利さはどの製品にも共通する。腕に抱きつく「だっこちゃん」のような空気入り人形のビニール形状の製作など創業70年の歴史には、馴染みある製品が並ぶ。医療産業に参入したのは5年ほど前のこと。大学病院との連携で、がん患者への放射線治療などで使う体位固定マットを開発したのが最初の製品だ。現在、東京都医工連携HUB機構のホームページで見つけた医療現場の困りごと(ニーズ)を解決するための製品開発にも取り組み、今年度の上市を目指す。これらのニーズ発掘から製品開発に至る背景を同社総合企画推進部次長の菅谷暢さんに話を聞いた。

機械式聴診器

シカゴ東京メディカル株式会社

日本のものづくり技術で低価格帯の高性能機械式聴診器開発に挑戦

シカゴ東京メディカル代表取締役のロバート・A・コーネルさん

シカゴ東京メディカル株式会社は、日本進出を図る外資系医療関連企業へのコンサルティング事業で1988年の創業以来30年の歴史がある株式会社ザ・シカゴ・トーキョー・グループが2014年に新設した会社で、海外メーカーの医療器具の輸入販売を手がける。扱う商品は日本では珍しいカラフルな聴診器や手術用顕微鏡や医療機器のアームのカバー、男性用尿失禁管理製品などが中心。輸入販売事業の傍ら、医療機器開発海外展開人材育成プログラムに参加したりなど、医工連携で新規事業の可能性を模索し、現在、「高性能低価格の機械式聴診器の開発」に挑戦する。同社代表取締役のロバート・A・コーネルさんに取り組みの状況について話を聞いた。

嚥下内視鏡用ビデオカメラ

リブト株式会社

嚥下機能障害の早期発見で最後まで食べることができる人生を

リブト株式会社代表取締役の後藤広明さん

リブト株式会社は、医療現場の困りごと(ニーズ)に対し、機能を揃えるだけではなく、使う人のモチベーションを考えて製品開発の構想を練ることが評判となり、医療者からダイレクトに相談が持ちかけられる医療系ベンチャーだ。創業者で代表取締役の後藤広明さんが内視鏡メーカーでの技術職、企画営業職を経て独立し、2007年に設立した。2010年に上市した嚥下機能の状態を調べる内視鏡ビデオカメラを封切りに、在宅医療で往診する医療者をサポートする製品開発に取り組む。現在、取り扱う内視鏡ビデオカメラは2機種。これに加え、次世代モデルとして、目下、「日帰り検査が可能な卓上内視鏡の開発」に取り組む。従来は、病院の専用検査室で行われてきた嚥下内視鏡検査などを、外来の診察室で簡便に行える「卓上内視鏡システム」となる。東京都中小企業振興公社の第1回 医療機器産業参入促進助成事業に採択されており、開発することになった背景について後藤さんに話を聞いた。

2018年

睡眠測定システム

株式会社スリープシステム研究所

センシング技術で睡眠の質を計測−−納得できれば眠れなくても安心できる

代表取締役社長の根本氏

自分の睡眠を測定したい――。こうした思いからスリープシステム研究所は2008年に誕生した。化粧品や寝具メーカーなどと睡眠に関する製品の開発を手がける同社。中でも、布団の下に敷くだけで眠りの状態を把握する「睡眠測定スリープモニタ」の開発は大詰めを迎える。大きな特徴は無拘束で眠りを計測できる点にある。2017年に東京都中小企業振興公社の「医療機器産業参入促進助成事業助成金」を獲得し、4年計画で医療機関と連携しながら機能追加や精度向上。世界で初めての無拘束で計測できる睡眠評価装置(第2種管理医療機器:クラスⅡ)の承認を目指している。代表取締役の根本新さんに起業してからこれまでの開発の経緯を聞いた。

企画・デザイン・設計・生産

株式会社ニッケン

知育玩具からゲームマシン「こんなことできないか?」

自社ブランドの開発品 鬼たいじ

ニッケンは、知育玩具、ゲームマシン、フィギュアなどの企画から生産までを請け負うOEM企業。クライアントの「こんなことできないか?」というニーズは、知的好奇心を高める知育教材についてのものから、遊び心をくすぐるものまで実に幅広い。同社はただデザイン性を追求するのではなく、科学的根拠や消費者動向などの裏付けを基に企画提案する。新しい分野への参入には積極的で、医療や福祉関係にも数年前から取り組んでいる。初の自社ブランドとして、車いすに座ったまま遊べる「鬼たいじ」試作開発した。医療・福祉分野での挑戦についてニッケンで営業本部 企画開発課 企画営業マネージャーを務める海老沼隆さんに話を聞いた。

生体情報モニター

株式会社フジタ医科器械

センシング技術で睡眠の質を計測−−納得できれば眠れなくても安心できる

医工連携で開発した生体情報モニター

1972年に文京区本郷で創業したフジタ医科器械は、脳神経外科医のゴッドハンドである福島孝徳教授の手技を鉗子などの鋼製小物で支えてきた。そのほとんどが職人によるハンドメイドだ。職人の高齢化問題に直面し、2014年からは鋼製小物にこだわらず、医工連携のスキームを使って脳神経外科以外の製品開発を模索しはじめた。2017年に「医療機器産業参入促進助成事業助成金」を受け、目下、首都直下型災害を想定した可搬型医療機器として「災害医療に対応するスマートフォン型生体情報モニター」の開発に取り組む。国立国際医療研究センターの救急科からの相談を受け、ものづくり企業と連携して開発する。

システム開発

株式会社ユーワークス

距離が近いからこそ気兼ねなく共同開発ができる

フジタ医科器械と共同開発した
生体情報モニター

「YOUWORKS」という社名ロゴがあしらわれた紺色のジャケット。東京都医工連携HUB機構が開催するイベントでよく見かける。文京区湯島に拠点を設け、近隣の医療機器メーカーからソフトウェア開発の受託や医工連携に積極的なユーワークスのものだ。同社は2001年に筑波大学OBが仲間とともに立ち上げた企業。創業の地は茨城県つくば市で、研究機関向けにバイオイメージングや、顕微鏡関係の画像解析などの特殊なソフトウェアを開発してきた。医療に参入したのは、これらのソフトウェアと医療に技術的に近いことが第一の理由ではない。実は“採用難”がきっかけだったという。 “風が吹けば桶屋が儲かる”と言わんばかりの同社代表取締役社長 吉本英治さんに話を聞いた。