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がん研有明病院
薬剤師(12年以上)
在宅医療においては、在宅での患者に対する安全性確保が課題となっている。ウェアラブルデバイスの活用により、位置・バイタル(心拍数や酸素飽和度など)の情報を医療スタッフ側からモニタリングし、異変にいち早く気づくことができる。顔面部にカメラが搭載されており、医療スタッフはモニターを通じて、リアルタイムで患者の様子を確認することができる。自宅療養中のコロナ患者において重症悪化への回避にも貢献できる。
デバイスが使われる疾患等の名称・概要
年間患者数
デバイスが使われる検査・手術・処置等
年間件数
医師(23年以上)
多くの早期消化管癌が内視鏡的に切除されている(当院年間:胃癌500例、大腸癌500例、食道癌200例程度)。切除検体は病理医により2-3mmの厚さに分割される(切り出し)。切り出しには市販の使い捨てナイフが使用されるが、等間隔、等幅、平行に分割することは技術的に難しい。安定的・適切な切り出しを可能にする新規ナイフデバイスにより、手技の均霑化、作業の効率化、患者への高精度な医療提供が期待できる。
薬剤師(21年以上)
安全ながん薬物療法の実施には、注射剤と内服剤を含めた混合レジメンを機械的にチェックすることが必要である。経口抗がん薬はアドヒアランスを含めた管理が必要であるが、現在は注射剤のみのレジメンしか管理できていない。そこで、注射剤と経口剤の含むレジメン管理システムと、患者宅でのアドヒアランスをリアルタイムモニタリングできるシステムを開発することにより、有効かつ安全ながん薬物療法を提供できると考える。
医師(27年以上)
喉頭摘出後の音声獲得方法の一つに、ボイスプロステーシスを用いたシャント発声がある。この発声方法は食道発声や電気喉頭と比較すると、自然で音声獲得も容易な方法である。対象疾患は、進行した下咽頭癌、喉頭癌、甲状腺癌の術後で、喉頭摘出後。対象患者数は年間約200例。現状は、専用の道具がなく難渋している。専用の道具があることで手術がより容易になると考えている。
医師(17年以上)
肺手術時には患側肺を虚脱状態(以下、手術肺)とする。術前画像から拡張肺の解剖構造を再現する(現存)だけではなく、手術肺の密度・質感まで個々の背景肺に応じて再現する、即ち「手術肺virtual simulator」の開発により、新たな胸腔鏡等手術機器の開発、力学的観点から適切な手術操作をsimulationする、AIと組み合わせ自動運転ロボット手術の実現を可能にする、等様々なことが期待出来る。
がん研究会有明病院
薬剤師(15年以上)
医薬品の安全管理においてバーコードでの認証が主流となっているが、臨床現場ではすべての薬剤にバーコードが印字されているとは限らない。バーコードの無い薬剤の有効活用や、タスクシフトが進む中で安全担保や物流管理ができるデバイスの開発を必要としている。
医師(19年以上)
現在販売されているリンパ浮腫に対する圧迫器具は、装着に腕力と時間が必要で苦労が多い。それゆえに装着を断念する方や不適切な圧での使用例が多い。いつでもどんなシチュエーションでも簡便に着脱ができる圧迫製品の開発を目指している。
医師(29年以上)
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)等の治療内視鏡には450cm長のガイドワイヤー(GW)が必要であるが、カテーテル交換時以外は250cm程度が余り、末端が不潔帯に付着しやすく、トレーに丸める、袋に落とし込む、鉗子掛けに掛けるなどの身近な工夫は無効で第2助手が必要である。感染対策として現場のニーズは大、ERCP件数は学会登録例のみで年間7万件、ディスポ品が望ましい。
看護師(34年以上)
高カロリー輸液のダブルバッグ製剤は、隔壁を開通させて上室液と下室液を混合させる仕様となっているが、しばしばこの隔壁開通を失念して下室液のみを点滴するエラーが発生している。メーカーからは隔壁開通時に取り外す目印のタグが付けられているが効果性は低い。隔壁を開通させると隔壁部分の色が変わるなど新たな作業は発生せず開通有無が視認できるようになることが望まれる。
医師(18年以上)
肺癌診療において、ドライバー遺伝子陽性症例に対して分子標的薬の効果が非常に高い。一括して測定するマルチプレックス検査が必須になった。代表的な検査法として、オンコマインDxTTが承認されたが、組織検体の適切な作製・選別が検査の成功率を大きく左右してしまうこともあり、普及が頭打ちになっている。AIによる判断システムの開発が、マルチプレックス検査の普及を推進し、肺癌診療の底上げにつながると期待される。