令和5年度 医工連携セミナー 開催レポート

【医工連携セミナー】大腸外科の最先端と医工連携のポテンシャル
 ※オンライン開催

日時 2023年5月24日(水)16時00分~17時30分
内容

「大腸外科の最先端と医工連携のポテンシャル」をテーマに、国立がん研究センター東病院 手術機器開発推進室 室長で大腸外科の長谷川 寛氏を講師にお招きしました。
長谷川氏からは、国立がん研究センター東病院の施設紹介と、東病院が取り組む医療機器開発の体制として、医療機器開発推進部門についての紹介がありました。大腸外科については、大腸の解剖、大腸の機能、大腸がんが発生する仕組みなどについてわかりやすくご説明いただきました。検査、診断、治療、手術等、それぞれに用いる機器の紹介と、現在、取り組まれている医療機器開発の紹介、医療ニーズも紹介されました。
質疑応答では、治療のプロセスや使われる機器について深掘りするような質問が多く挙げられました。
日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏からは、大腸外科の最先端と医工連携のポテンシャルについて広範囲かつ詳しくお話しいただいた中で、手術における課題と医療機器開発の余地があることについてコメントをいただきました。

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【医工連携セミナー】医療機器の保険収載の基礎 前編
 ※オンライン開催

日時 2023年7月4日(火)16時00分~18時00分
内容

薬事コンサルタントの河原敦氏を講師にお迎えした「医療機器の保険収載の基礎 前編」では、制度の要点を理解しやすく解説いただきました。
前編では、保険診療とは何か、関連する法令、医療機器の保険上の評価、申請等の手続き上の留意点など医療機器の保険適用希望の制度的枠組みを中心とした内容でした。 実務的な説明もあり、保険収載の大枠を学ぶ機会となりました。
講義の後、一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏からは、後発の医療機器の薬事申請とその保険収載、類似機能区分等の考え方について深掘りするコメントがあり、河原氏からさらに詳しく解説をいただくようなディスカッションがおこなわれました。
参加者からの質問も多く、後編の内容に関係するものは後編で触れることとなりました。

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【医工連携セミナー】国産手術支援ロボット「hinotori」がもたらす臨床的価値
 ※オンライン開催

日時 2023年7月12日(水)16時00分~17時30分
内容

この度のセミナーでは、広島大学大学院 医系科学研究科 腎泌尿器科学教授 日向 信之 氏をお招きし、「国産手術支援ロボット『hinotori』がもたらす臨床的価値」をテーマに、臨床の立場から「hinotori」開発の経緯、最新動向についてご講演いただきました。
泌尿器科の疾患の紹介から泌尿器悪性腫瘍学における診断、手術療法、薬物療法の動向に触れた後、hinotoriの話題に入り、開発中の初号機から上市にいたるまで段階的に取り組まれた内容、新鮮凍結献体を用いた前臨床試験、臨床試験、広島大学への導入、手術支援ロボットの今後の展望についてお話しいただきました。
開発段階で改善した機能や操作感については、実際に操作する手元の様子と術野の動画を並べてご紹介いただくなど、手術支援ロボットに求められる操作性を学ぶ機会にもなりました。
一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏からは、極めて短期間で製品化を実現し、臨床的にも有用性の実証を重ねることができているのは臨床医である日向氏が最初から開発のコアメンバーとして関わり細やかなサイクルでフィードバックをされてきたことが一つの大きな要因ではないかとの見解が述べられました。

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【医工連携セミナー】医療機器の保険収載の基礎 後編
 ※オンライン開催

日時 2023年7月19日(水)16時00分~18時00分
内容

薬事コンサルタントの河原 敦 氏を講師にお招きし「医療機器の保険収載の基礎 後編」についてご講演をいただきました。
前編に続いて医療機器の保険適用希望の制度的枠組み、診療報酬改定の枠組み、保険適用希望等の戦略上の要点について解説いただきました。保険収載の戦略を検討する上でのポイント、実務的な助言、具体的な事例を踏まえた内容となり、前編と後編とを通して医療機器の保険収載の基礎の大枠を学ぶ機会となりました。
講義の後の質疑応答では、具体的な質問が多く寄せられ、時間の許すかぎり河原氏に回答いただきました。

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【医工連携セミナー】医薬品医療機器等法の基礎
 ※オンライン開催

日時 2023年7月26日(水)16時00分~18時00分
内容

一般社団法人米国医療機器・IVD工業会 診断・治療機器委員会 委員長の大竹 正規 氏をお招きし「医薬品医療機器等法の基礎 〜基本と動向、押さえるべきポイント〜」をテーマにご講演いただきました。
講演では、薬事の視点、診療報酬の視点、プログラム医療機器について解説いただき、薬機法の基本、医療機器の特徴、クラス分類と申請区分等、申請手続きなど実践に役立つ内容がカバーされました。また、昨今、注目が集まるプログラム医療機器やAIについては押さえておくべきポイントや動向などが盛り込まれました。
一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏は、大竹氏の講演から「ゴールを見据えたリバースプランニングが重要である」という点、テーマのとおり薬機法についてのわかりやすい解説に加え開発が活況なプログラム医療機器について押さえておきたいポイント等が触れられた点などを挙げ、参加者にとって理解を深める貴重な機会となり今後の企業活動に活かされることに期待を寄せました。
質疑応答では、柏野プロジェクトマネージャーのファシリテーションのもと、講演の内容を振り返りながら大竹氏からさらなる助言をいただく形でおこなわれました。

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【医工連携セミナー】医療機器分野への参入・医工連携の実践
 ※オンライン開催

日時 2023年8月9日(火)16時00分~18時00分
内容

デリスネコン合同会社 代表社員の宮尾達也氏と安井株式会社 開発部の波田野真人氏を講師にお招きし、異業種からの医療機器産業参入、医療現場のニーズをもとに製品化を実現したプロセス、市場展開するにあたって直面する課題への挑戦についてご講演いただきました。
宮尾氏からは、手術室に配属された看護師として解決すべき課題を見出し、特許の取得、製販企業と医師との連携により製品化を実現。その過程で東京都医工連携HUB機構が提供する支援をどのように活用したかをご紹介いただきました。
波田野氏からは、同社が自社の基盤技術で部品の製造から医療機器産業に参入し、自社製品を製造販売、国内外への市場を開拓するなど、実践的な医工連携についてお話しいただきました。
質疑応答では、連携主体の出会いのきっかけや製品についての技術的な質問などが寄せられました。

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【医工連携セミナー】医療機器開発のユーザビリティ
 ※オンライン開催

日時 2023年8月25日(金)16時00分~18時00分
内容

エマーゴ・ジャパン・コンサルティング株式会社からマネージング・ヒューマン・ファクターズ・スペシャリストの吉田 賢 氏 を講師に迎え、医療機器のユーザビリティについての規格であるIEC62366-1を中心にご講演いただきました。
「ユーザビリティエンジニアリングとIEC62366-1」をテーマに、使用エラーの原因につながる認知、認識、行為について写真やイラストなど具体的な例を示しながら参加者の理解を促し、日本における医療事故、法規制とその解釈、ユーザビリティの要求事項に対応するためのプロセスなどについて解説いただきました。
参加者からの質問を募る間、一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏からいただいた特別発言の中で、規格に対して解釈が難しいケースについて企業が取り組めることなどの質問が挙げられ、吉田氏から事例を用いながら役立つウェブサイトなどが共有されました。
質疑応答では、リスク分析やユーザビリティの評価などについて様々な観点からの質問が挙げられました。

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【医工連携セミナー】医療機器開発のサイバーセキュリティ
 ※オンライン開催

日時 2023年9月5日(火)16時00分~18時00分
内容

一般社団法人日本医療機器産業連合会  医療機器サイバーセキュリティ対応ワーキンググループ 主査 中里 俊章 氏をお迎えし、「医療機器開発におけるサイバーセキュリティ」についてご講演いただきました。
話題として、医療機器サイバーセキュリティの国際的な規制と基準の動向、医療機器のサイバーセキュリティ対応のフレームワーク 、国内におけるサイバーセキュリティ対応の課題を中心に解説いただきました。
一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏は、プログラム医療機器開発に取り組む企業が頭を悩ませる課題であることが参加者数にも表れているとし、中里氏に対して寄せられた数多くの質問とその回答を通して理解を深めていただきたいと述べました。
質疑応答では、時間を約30分設け、中里氏からセミナーの中で触れた規格の解釈や補足などを丁寧に解説いただきました。

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【医工連携セミナー】献体を使用した臨床医学の教育・研究システム
 ※オンライン開催

日時 2023年9月20日(水)16時00分~17時30分
内容

「献体を使用した臨床医学の教育・研究システムと医療機器開発の最新動向」をテーマに、北海道大学病院 医療機器開発推進センター 副センター長で診療教授の七戸 俊明 氏を講師にお招きしました。本セミナーでは、検体を使用した臨床医学の教育・研究システムの解説、国内で唯一、献体を使用した医療機器の研究開発が可能な「カダバーラボ」で実施されている医療機器開発の最新動向についてご紹介いただきました。設備や手術手技研修、実証試験などについては動画や写真等を用いながらの説明でした。一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏からは、献体を使用した教育、研修、医療機器開発の仕組みをシステマティックに構築され、その過程における課題についても丁寧に解決に取り組んでこられたことへのコメントがありました。質疑応答では、参加者からさまざまな質問が挙げられ、七戸氏から現状を踏まえ詳しく解説いただきました。

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【医工連携セミナー】デジタルヘルスケア・治療用アプリの最前線
 ※オンライン開催

日時 2023年11月16日(木)16時00分~18時00分
内容

治療アプリの最新動向と、プログラム医療機器に関する規制の現状と今後の課題について2人の講師をお招きしました。 株式会社CureApp 事業開発・推進本部 統括取締役 宮田 尚氏からは「治療アプリがもたらす医療の可能性 」をテーマに、同社が展開する治療アプリによる治療法の紹介と従来とは異なる治療の進化の可能性について、これまでの臨床試験、治験、そしてリアルワールドでの活用を踏まえてお話いただきました。 厚生労働省 医薬局 医療機器審査管理課 プログラム医療機器審査管理室 室長 飯島 稔 氏からは「プログラム医療機器に関する規制の現状と今後の展望 」をテーマに、プログラム医療機器の薬事承認・保険適用の全体像、プログラムの医療機器該当性の考え方など、厚生労働省の取り組みを踏まえて解説いただきました。 それぞれの講演の後の質疑応答では、参加者から多くの質問が寄せられ、治療アプリとプログラム医療機器に対する関心の高さが伺えました。

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【医工連携セミナー】アカデミア発、医工連携ベンチャーの最前線 文部科学省のネットワーク型共同研究拠点 「生体医歯工学共同研究拠点」
 ※オンライン開催

日時 2023年12月5日(火)16時00分~18時10分
内容

『アカデミア発、医工連携ベンチャーの最前線』をテーマに東京医科歯科大学、東京工業大学、静岡大学、広島大学から4名の講師をお招きしました。 東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 教授・情報医工学分野 分野長 中島 義和 氏からは、「医療における生成AIをはじめとしたAI利活用」をテーマに、応用が広がるAIの医療分野への展開と課題、医療および生命科学のDXの市場規模、自身が取り組まれるプラットフォームなどについてご講演いただきました。 東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 准教授 田原 正樹 氏からは、「医療用形状記憶合金 – 動作原理と医療分野での将来展望」をテーマに、医療分野で使われる形状記憶合金がもつユニークな特性とその課題、新たな材料開発として自身が取り組むニッケルを含まないチタン系形状記憶合金の研究開発についてご講演いただきました。 静岡大学大学院 光医工学研究科 教授 庭山 雅嗣 氏からは、「近赤外光を用いた生体組織血液動態計測に関する基礎研究と産医工連携による実用化」をテーマに、非侵襲的かつ比較的簡便な近赤外光を用いた生体組織血液動態計測の基礎研究から実用化のための開発体制や具体的な応用事例をご紹介いただきました。 広島大学 広島大学病院 口腔先端治療開発学(口腔検査センター) 教授 加治屋 幹人 氏からは、「自家間葉系幹細胞とバイオ3Dプリンタを用いた歯周組織再生療法の実用化への展望」をテーマに、歯周炎についての説明と治療技術と課題、間葉系幹細胞を用いた歯周組織再生療法の開発経緯、細胞などを使ったバイオ3Dプリンタと幹細胞を応用した歯周組織再生療法の開発、その実用化への展望についてご講演いただきました。 東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 生体医歯工学共同研究拠点 特任教授の宮内 昭浩 氏と一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏とに、それぞれの取り組みについてご発言をいただきました。 今回の医工連携セミナーは、実に様々な領域で開発が進む最先端の技術とその応用についての動向を学ぶ機会となりました。

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【医工連携セミナー】AI技術を活用した医療画像診断支援の最前線
 ※オンライン開催

日時 2024年1月18日(木)16時00分~18時00分
内容

『AI技術を活用した医療画像診断支援の最前線』をテーマに、一般社団法人 日本画像医療システム工業会 産業戦略室 舟橋 毅 氏と株式会社エムネス 取締役副会長 ファウンダーで霞クリニック院長の北村 直幸 氏を講師にお招きしました。 舟橋氏からはAIの進化のトレンド、AIを搭載した医療機器の認可状況、AI搭載医療機器に内在する課題、そして、今後、社会全体で取り組んでいくべき施策についてお話しいただきました。 北村氏からは、「AI技術は画像診断領域にどこまで入り込めるのか?」をテーマに、遠隔画像診断の動向から展望、画像診断領域におけるAIへの期待と課題についてお話しいただきました。臨床現場に導入したAIサービスをどのように活用しているのかなど、実際の現状を踏まえてわかりやすく説明していただきました。 一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下 一夫 氏による特別発言では、技術の発展がもたらす臨床現場や医学教育の変化について触れられました。 質疑応答では、AI技術の実用化についての課題のほか、AIと医師との役割の関係などが話題に挙がりました。医療現場で実用化が進むAI技術の動向と医療現場での取り組みについて理解を深めるセミナーとなりました。

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【医工連携セミナー】プログラムの医療機器該当性
 ※オンライン開催

日時 2024年2月6日(火)16時00分~17時30分
内容

厚生労働省 医薬局 監視指導・麻薬対策課 治田 義太郎 氏から『プログラム医療機器の該当性と法規制』をテーマにご講演いただきました。プログラム医療機器の該当性について、薬事法から薬機法への変遷、リスクに応じた医療機器の分類など基本から解説いただきました。プログラム医療機器の更なる実用化と国際展開を目指して策定された DASH for SaMD(プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略) 動向、プログラムが医療機器に該当するか否かについての該当性ガイドラインの説明については、該当性を判断する手順を判断事例を踏まえながらお話しいただきました。質疑応答では、寄せられた多くの質問に対して治田氏から丁寧にお答えいただきました。

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【医工連携セミナー】医工連携を円滑に進めるヒント
 ※オンライン開催

日時 2024年2月21日(水)16時00分~18時00分
内容

一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏と東京都医工連携HUB機構プロジェクトマネージャーの柏野聡彦が講師を務め、「医工連携を円滑に進めるヒント」についてご講演いただきました。
谷下氏からは「医工連携の新たな時代」をテーマに、医療機器開発を取り巻く環境の変革、スタートアップの台頭、異分野間に生じうる認知的壁などについてお話しいただきました。
柏野プロジェクトマネージャーからは、「これからの医工連携」をテーマにものづくり中小企業と医療機器メーカーとの連携のポイントについてお話しいただきました。医工連携は、ものづくりとビジネスづくりによる新たな医療価値づくりであるという視点から組織の垣根を超えたチームづくり、生成AIを活用した自社の技術の伝え方、臨床ニーズの知的財産的価値の考え方、専門家を活用するメリットなどが網羅されました。
質疑応答では、グローバル市場における国産のプログラム医療機器への期待、生成AIを活用した臨床ニーズの目利きについてなどが話題になるなど、これからの医工連携について考える機会になりました。。

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