令和4年度 医工連携研究会 開催レポート

令和4年度 医工連携研究会 事業化を見据えた医工連携
 ※オンライン開催

日時 3月24日(金)15時00分~17時00分
内容

東京都産業労働局商工部 技術調整担当課長 松本朋之の挨拶で開会しました。
基調講演では、自治医科大学学長の永井良三氏より「第3期SIP 医療デジタルツインへの期待」をテーマにご講演いただきました。臨床医学研究の方向性としてメカニズムの追求とデータ科学の両アプローチが必要であることが示されました。内閣府で進められている統合型ヘルスケアシステムの構築の全体構造、病院情報とPHR(個人電子カルテ)を統合して個人の健康状態の変化等をデータで追えるといった「デジタルツイン」がどういう役割を果たすかなどが語られ、これからの医療DXの方向性を知る機会となりました。
先端医療機器アクセラレーションプロジェクト(AMDAP)の 事例紹介では、本年度採択された2つの開発プロジェクトが紹介されました。
株式会社カルディオインテリジェンス取締役COOの武智峰樹氏からは「医薬品による副作用マネジメントのための長時間心電計用QT間隔解析AIの開発・事業化」についてご発表いただきました。従来見つかりにくかった不整脈や心電図上で心臓の電気的な収縮と弛緩の周期を示すQT間隔が通常よりも長くなる症状を早期に発見することで重篤化予防につなげるソフトウェアの開発に取り組みます。
Milk.株式会社 代表取締役社長の中矢大輝氏からは「ハイパースペクトル画像を活用した新たな病理診断支援システムの開発」についてご発表いただきました。人の目では変化を捉えられないと言われる波長帯を可視化する技術とAIを使ってがんの早期発見等に役立てようという取り組みです。
続いての東京都医工連携HUB機構の事例では、柏野聡彦プロジェクトマネージャーから手術室での針刺し事故を防ぐ手術縫合針計数装置「ラピッドニードルカウンター107」 と車椅子に足をひっかけて怪我をするのを防ぐ「べんけいガード」が紹介され、医療現場の細やかなニーズを中小のものづくりの技術で解決した製品が紹介されました。
こうした事例に対し、永井氏と日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏からご講評をいただきました。

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