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東京都医工連携HUB機構では、都内中小企業を対象に、医療機器産業への参入及び同業界での活躍に向けた医工連携人材育成講座(全10回)を開講します。 ※本講座は連続講座となります。全10回のうち8回以上の講座に参加された皆様には修了書をお渡しします。 ※ご参加は無料です。

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開催レポート

【医工連携人材育成講座】[第1回]「医工連携の概論」

日時 平成30年6月5日(火)17:00-19:30

講師

谷下 一夫 氏 一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ副理事長
柏野 聡彦 氏 東京都医工連携HUB機構 プロジェクトマネージャー

内容

医工連携、医療機器開発に関する基本的な考え方を学びました。医療機器開発では、医療現場の価値観を理解したうえで医療従事者との継続的かつ本質的な対話により優れた臨床ニーズを発掘することが重要です。医療機器メーカーは医療機器の医学的意味を探求し、臨床ニーズの背景を深く理解したうえで医療機器を開発しています。セミナーでは、医工連携において、なぜ医療機器メーカーを巻き込むことが大切なのか、ものづくり企業はどのように医療機器メーカーと出会い、自社をPRするのか、など医療機器産業への参入、事業拡大を目指すためのポイントが説明されました。

【医工連携人材育成講座】[第2回]「保険収載の基礎」

日時 平成30年6月7日(木)17:00-19:00
講師

河原 敦 氏 薬事コンサルタント

内容

医療機器の開発において、設計開発段階から保険戦略を考えることは極めて重要です。セミナーでは、医療機器の保険適用の機能区分、保険適用時期、審議プロセス、価格算定の考え方、最近の動向等について、具体的な事例を交えながら、説明されました。行政の裁量が大きい分野であるため、企業は保険収載の仕組みを理解したうえで早い段階から取り組むことが成功のカギとなります。新規参入を目指す企業にとっても、こうした仕組みを理解することは、医療機器メーカーとの開発を円滑に進めるための一つのポイントになると思われます。

【医工連携人材育成講座】[第3回]「医工連携のベストプラクティス(1)」

日時 平成30年6月20日(水)17:00-19:10
講師

鈴木 庸介 氏 株式会社スズキプレシオン 取締役会長
棚橋 一成 氏 株式会社タナック 代表取締役
朝山 俊雄 氏 株式会社システムフレンド 取締役社長

内容

新規参入企業にとって、自社に適した医療機器産業への参入のかたちを考えることはとても重要です。株式会社スズキプレシオンの鈴木会長からは、自社が経験した医療機器産業との関り方をお話いただきました。株式会社タナックの棚橋社長からは、展示会を活用した医療機器メーカーとの接点機会の創出から本格参入に向けた社内体制の整備、現在の取組みについてお話いただきました。株式会社システムフレンドの朝山社長からは、IT企業ならではの工夫を凝らしながらソフトウエア開発を進められている様子をお話いただきました。3社は、得意な技術や参入のきっかけは違えども、公的支援を上手く活用しながら医療機器産業への参入を果たしているといった共通点がありました。

【医工連携人材育成講座】[第4回]「医薬品医療機器等法の基礎」

日時 平成30年7月4日(水)17:00-19:00
講師

大竹 正規 氏 米国医療機器・IVD工業会 RAQA委員会 副委員長

内容

講演では、米国医療機器・IVD工業会 RAQA委員会の大竹正規副委員長をお招きし、前半は薬機法の基礎、後半はソフトウエア薬事についてご説明いただきました。医療機器の研究・開発段階から、医療機器申請業務の進め方、諸手続きに必要な準備事項を理解したうえで、製品化を進めることの重要性を学びました。ソフトウエア薬事については、基本的な考え方、法規制の解釈のポイントを知ることができました。

【医工連携人材育成講座】[第5回]「製販企業の目線で医工連携を知る(1)」

日時 平成30年7月24日(火)17:00-19:00
講師

前多 宏信 氏 株式会社フジタ医科器械 代表取締役社長
廣瀬 英一 氏 株式会社プラトンジャパン 専務取締役
矢部 文明 氏 株式会社ホギメディカル 営業管理部 次長兼低侵襲プロダクトマネージャー

内容

医療機器開発、医工連携を積極的に推進している医療機器メーカー・ディーラーをお招きし、それぞれの立場から見た医療機器産業についてお話いただきました。株式会社フジタ医科器械からは、国内の医療機器産業の現状と、新規参入企業が知っておくべき参入の考え方やポイント、株式会社プラトンジャパンからは専門領域の歯科における医療機器の動向や臨床ニーズについてご紹介いただきました。株式会社ホギメディカルからは医療機器の流通の仕組み、医療機関へ商品を販売する際の手順、医療現場に入る際の心構え等、実体験を交えながらお話いただきました。3社の講演からは、新規参入企業の経営陣が本 気になり、中長期的に事業を考えることの重要性が示唆されました。

【医工連携人材育成講座】[第6回]「医工連携のベストプラクティス(2)」

日時 平成30年8月31日(金)17:00-19:00
講師

波田野 真人 氏 安井株式会社 開発部 係長
関  康貴 氏  東栄化学工業株式会社 取締役
松宮 利裕 氏  株式会社シャルマン 取締役 常務執行役員

内容

異業種から医療機器産業への参入を果たした3社をお招きし、参入のきっかけ、取組内容、今後の課題についてお話いただきました。安井株式会社からは、開発から上市までのロードマップをもとに、臨床ニーズとの出会い、試作開発、製販業の取得、販売会社の選定など、実体験をご紹介いただきました。東栄化学工業株式会社からは、行政の支援策を上手く活用すること、医療現場に積極的に足を運ぶこと、小さな実績を積み重ねていくことの重要性をお話いただきました。株式会社シャルマンからは、参入に踏み切った当時の外的及び内的要因、医療機器事業に関する戦略についてお話いただきました。いずれの企業も行政の支援策を積極的に活用しながら、新しいことに挑戦し続けていることが伝わってきました。

【医工連携人材育成講座】[第7回]「製販企業の目線で医工連携を知る(2)」

日時 平成30年9月4日(火)17:00-19:00
講師

林 正晃 氏 第一医科株式会社 代表取締役社長
薬袋 博信 氏 株式会社常光 学術マーケティング課 課長
前島 洋平 氏 株式会社カワニシホールディングス 代表取締役社長

内容

医工連携に積極的な製販企業3社をお招きし、自社の取り組みや今後の展望についてお話いただきました。第一医科株式会社 林社長からは難治性メニエール病のめまい発作を無侵襲的に軽減する医療機器の開発をご紹介いただきました。医療現場に医療機器を届けることの覚悟と責任、医療の発展に貢献したいという強い想いを感じました。株式会社常光 薬袋課長からは、自社の医工連携の実践事例をもとに製販企業とものづくり企業との出会いの重要性についてお話いただきました。株式会 社カワニシホールディングス 前島社長からは、医工連携における医療機器販売商社の機能、具体的な取組内容をご紹介いただきました。医療機器開発にあたっては、製販企業、販売商社だけでなく、臨床ニーズ、ものづくり企業の技術力が不可欠であることを学びました。

【医工連携人材育成講座】[第8回]「臨床ニーズを考える」

日時 平成30年9月7日(金)17:00-19:00
講師

光嶋 勲 氏 広島大学 国際リンパ浮腫治療センター 特任教授

内容

広島大学 国際リンパ浮腫治療センター 特任教授 光嶋 勲先生からは、失われた体の形や機能を可能な限り復元修復するための手技、その手技を支えるデバイスについてお話いただきました。日本企業には、10~20年後の世界の医療現場において主流となれるよう、世界の若手の医療者が興味を示す世界最先端の手技、それを可能とするデバイス開発を実現してほしいといった熱いメッセージが送られました。

【医工連携人材育成講座】[第9回]「医療機器の知財の基礎」

日時 平成30年9月13日(木)17:00-19:30
講師

中島 淳 氏 特許業務法人太陽国際特許事務所 所長
神谷 直慈 氏 知的財産コンサルタント(弁理士/中小企業診断士)

内容

長年、知的財産の側面から医療機器開発に関わってこられた先生2名をお招きし、医工連携における知的財産の基本的な考え方、発生しやすいトラブルについてお話いただきました。特許業務法人太陽国際特許事務所 中島先生のご講演では、特許を出願するリスクと出願しないリスクを踏まえ、知的財産を経営資源の一つとして位置づけ、自社技術と開発方向性を見極めることの重要性を学びました。知的財産コンサルタント 神谷先生からは、医工連携においてしばしば見かける知的財産のトラブルについてお話いただきました。多くのプレーヤーが参加するコンソーシアム型開発において、関係者間での知的財産に関する早期の合意がポイントとなります。ロイヤリティだけではない、開発へのインセンティブについても医療機関や企業間で相互理解を深めることが開発成功の鍵となります。

【医工連携人材育成講座】[第10回]「これからの医工連携・医療機器開発」

日時 平成30年10月18日(木)16:30-19:30
講師

藤江 正克 氏 早稲田大学 名誉教授
小林 英津子氏 東京女子医科大学先端生命医科学 研究所 准教授

内容

最終回の講座では、早稲田大学 名誉教授 藤江先生、東京女子医科大学先端生命医科学研究所 先端工学外科学分野 准教授 小林先生をお招きし、工学者の立場から医療機器開発の歴史、今後の展望についてお話いただきました。国産の医療機器の実現を目指して、最近では工学者のなかでも実用化までを見据えた提案の重要性が認識されつつあることを知りました。後半では、受講生から講座の振り返りと今後の抱負を発表いただきました。全10回の講座のうち、8回以上の講座に参加された24名の受講生には修了書をお渡ししました。