東京都医工連携HUB機構では、都内中小企業を対象に、医療機器産業への参入及び同業界での活躍に向けた医工連携人材育成講座(全10回)を開講します。 ※本講座は連続講座となります。全10回のうち8回以上の講座に参加された皆様には修了書をお渡しします。 ※ご参加は無料です。

パンフレット(PDF:841KB)

【医工連携人材育成講座】[第1回]「医工連携の概論」

日時 2019年6月3日(月)17:00-19:30

講師

谷下 一夫 氏 一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ副理事長
柏野 聡彦 氏 東京都医工連携HUB機構 プロジェクトマネージャー

内容

第1回講義では、一般社団法人日本医工ものづくりコモンズの谷下 一夫先生から全国各地で医工連携の動きが加速していること、他方で取り組みに関する共通の考え方が不在であり、医療者と工学者との連携にも課題があることが指摘されました。医工連携における両者の交流、共創の場の構築の重要性についてお話しいただきました。東京都医工連携HUB機構の柏野からは、ものづくり企業が医工連携に取り組む際のポイントとして、自社の魅力の伝え方、オンラインミーティングの活用等についてご紹介しました。講演後は講師、受講生による名刺交換、情報交換をおこないました。

 

【医工連携人材育成講座】[第2回]「医薬品医療機器等法の基礎」

日時 2019年6月10日(月)17:00-19:10
講師 大竹 正規 氏 米国医療機器・IVD工業会 RAQA委員会 副委員長
内容
第2回講義では、米国医療機器・IVD工業会の大竹先生から医薬品医療機器等法の基礎についてお話しいただきました。医療機器開発では、製品の薬事対応や業許可の取得に係る業務の負荷が高く、医療機器のクラスに応じて、その業務の負荷は異なります。講義の後半では医療機器の対象となるプログラムの考え方について説明いただきました。プログラム単体の医療機器として販売する場合、その根拠となるデータを明示することは当然ながら、ビジネスモデルをあわせて検討することが重要と学びました。

【医工連携人材育成講座】[第3回]「医療機器の保険収載の基礎」

日時 2019年6月24日(月)17:00-19:10
講師 河原 敦 氏 薬事コンサルタント
内容
講義では、薬事コンサルタントの河原敦氏から保険収載の仕組み、最近の動向を中心に、お話しいただきました。保険収載については行政の裁量が大きく、保険診療としてのニーズの有無が鍵となります。医療機器開発の初期段階から薬事承認を含めて、保険収載に向けた戦略を立てる必要があります。河原先生からはコンサルティング経験を交えながら、保険収載に関する検討のポイントを説明いただきました。

【医工連携人材育成講座】[第4回]「医療機器流通の実際~医療機器を売るた めに、知っておくべきこと~」

日時 2019年7月1日(月)17:00-19:10
講師 矢部 文明氏 株式会社ホギメディカル 営業管理部 次長兼低侵襲プロダクトマネージャー
内容
株式会社ホギメディカル 矢部文明氏からは、実務経験を交えながら医療機器の流通構造、販売に係る法規制についてご説明いただきました。医療機器の販売にあたっては、公正競争規約等の各種規制に従った活動が求められます。医療機関が医療機器を購入する際には汎用的な製品は事務部門、専門性の高い製品は医療従事者が中心となり、選定される傾向にあります。先進的な技術を使っていなくとも他にはない優位性があり、医療従事者と患者の両者にとって利益のある医療機器を開発することがポイントとなります。医療機器は納品後も定期的な保守・メンテナンスやトラブル発生時の即日対応が必要であり、販売商社を上手く活用することが大切です。

【医工連携人材育成講座】[第5回] 「医療機器分野での取り組み」

日時 2019年7月8日(月)17:00-19:10
講師 藤田 尚登氏 株式会社ウェルハブ 取締役社長 
関 康貴氏 東栄化学工業株式会社 取締役
高山 成一郎氏 KOTOBUKI Medical株式会社 代表取締役
内容
株式会社ウェルハブ 藤田 尚登氏からは、臨床工学技士の臨床ニーズを対象に、IT企業としての強みを生かしながら、わずか8カ月で製品化した事例をご紹介いただきました。東栄化学工業株式会社 関 康貴氏からは、公的支援機関を活用し、医療機器メーカーの開発テーマと出会い、医療機器産業への参入を果たしたこと、現在は医療機器製造販売業許可を取得し、自社製品を開発していることをお話しいただきました。KOTOBUKI Medical株式会社 高山 成一郎氏からは、医療分野における製品開発のきっかけ、その後、販売を進める中で、ベンチャー企業を立ち上げて、クラウドファンディングを活用した資金調達をおこなった経験をご紹介いただきました。

 

【医工連携人材育成講座】[第6回] 「製販企業の目線で医工連携を知る」

日時 2019年7月23日(火)17:00-19:10
講師 前多 宏信氏 株式会社フジタ医科器械 代表取締役
廣瀬  英一氏 株式会社プラトンジャパン 専務取締役
林  正晃氏 第一医科株式会社 代表取締役社長
内容
株式会社フジタ医科器械 前多宏信氏からは、開発事例をもとに、事業化プロセスにおける推進のポイント、注意事項についてお話しいただきました。株式会社プラトンジャパン 廣瀬英一氏からは医科と比較しながら、歯科の特性や医療機器開発の特徴をわかりやすくご説明いただきました。第一医科株式会社 林正晃氏からは、VIPドクターの臨床ニーズとは何か、そうしたドクターの臨床ニーズに応えられる組織とは何か、を考えたうえで、自社の経営戦略、実行計画を検討し、取り組んできたことをご紹介いただきました。いずれの企業も医療機器開発における経営方針を明確にし、他社との差別化を図りながら、ドクターと共同開発していることがわかりました。

 

【医工連携人材育成講座】[第7回] 「臨床工学技士からみる医工連携」

日時 2019年7月30日(火)17:00-19:10
講師 朝日 大樹氏 西條クリニック鷹番 臨床工学課
井上 博満氏 日産厚生会玉川病院 臨床工学科
加藤 博史氏 神戸大学医学部附属病院 医療技術部 臨床工学部
内容
西條クリニック鷹番 朝日大樹氏からは、臨床工学技士の業務の概要、専門領域である血液透析治療の概要、現在と今後の課題についてお話しいただきました。日産厚生会玉川病院 井上博満先生からは、手術室に係る業務、循環器に係る業務、ME機器管理業務に関する医工連携ニーズをご紹介いただき、ちょっとしたアイテムによって医療の質、安全が向上することを学びました。神戸大学医学部附属病院 加藤博史先生からは、医工連携におけるマーケティング戦略の考え方についてお話しいただきました。医療機器開発においては、医療機関の経営や患者単価への理解が不可欠であることをご説明いただきました。

 

【医工連携人材育成講座】[第8回] 「臨床ニーズを考える」

日時 2019年8月23日(金)17:00-19:10
講師 光嶋 勲 氏 広島大学 国際リンパ浮腫治療センター 特任教授
内容
広島大学 国際リンパ浮腫治療センター 光嶋 勲先生からは、形成外科手術の手法の変遷と最新の動向をお話しいただきました。形成外科手術では、「治したい」、「見た目をよくしたい」、「感覚を取り戻したい」といった患者の要望に応えるべく、手術の技術が日々、進化しています。超微小外科から極超微小外科の時代へ突入するなか、新しい手法を実現するためには顕微鏡や針、縫合糸、持針器等の改良が不可欠であり、日本のものづくり技術が活かされていることを学びました。新しく開発された手法や機器は海外の学会において情報発信すると効果的であることを知りました。

【医工連携人材育成講座】[第9回] 「医療機器の知財の基礎」

日時 2019年9月3日(火)16:30-19:05
講師 中島 淳氏  特許業務法人太陽国際特許事務所 所長
神谷 直慈氏 株式会社IP-Business.pro 代表取締役(弁理士/中小企業診断士)
内容
太陽国際特許事務所 中島淳先生からはビジネスにおける知的財産の必要性やビジネスに与える影響について事例を交えながらご説明いただきました。知的財産は、「知恵と工夫により、無から有を得ることができるビジネスの種」といえるという言葉が印象的でした。株式会社IP-Business.pro 神谷直慈先生からは医工連携における実際のトラブル事例をもとに、発生しやすいトラブルの内容、それを防ぐためのポイントについてご紹介いただきました。コンソーシアムの関係者が納得しやすい仕組みを作ることが重要であると学びました。
 

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【医工連携人材育成講座】[第10回] 「これからの医工連携・医療機器開発の展望・期待」

日時 2019年9月18日(水)16:30-19:10
講師 土肥 健純氏 東京電機大学 総合研究所 特命教授
藤江 正克氏 早稲田大学 名誉教授
内容
東京電機大学 土肥健純先生からは医用工学の存在意義から最近のトレンドである医療機器のIoT化の動向、医療機器開発の基本的な考え方を中心にご説明いただきました。また、医療機器開発における学会、工学系及び医学系の研究者、企業の課題についてもお話しいただきました。早稲田大学 藤江正克先生からは、1900年代初頭から現在に至るまでのロボットの歴史、今後の展望についてお話しいただきました。受講生からは講座の振り返りと今後の抱負を発表いただき、最後に修了式をおこないました。