第5期 医療機器開発海外展開人材育成プログラム

開会式

日時 2019年5月23日(木)14:00~14:30
内容

・開会挨拶
  国立国際医療研究センター病院 病院長 杉山 温人氏
・プログラムの概要の説明
・受講生による自己紹介
・質疑応答

第1回 講義「ベトナムの医療現場の実態を学ぶ」

日時 2019年5月23日(木)14:30~16:30
講師 国立国際医療研究センター 国際医療協力局 土井 正彦氏
内容

講義では、統計データをもとに、ベトナムの概要に関する説明を受けたうえで、現地の写真と先生の実体験を交えながら保健医療制度や医療現場の現状を学びました。日本企業がベトナムの医療機関を訪問した際に得た問題・課題認識についても紹介されました。日本企業による医療機器開発、展開にあたっては、価格のほか、保守・メンテナンスのしやすさ、医療機器を取り扱う人材の教育がポイントとなることを知りました。

第2回 講義「ザンビアの医療現場の実態を学ぶ」

日時 2019年6月6日(木) 14:00~16:00
講師 国立国際医療研究センター 国際医療協力局 橋本氏
内容

講義では、ザンビア及びアフリカ諸国の保健医療の概要を学びました。アフリカ諸国の実情は各国の特性により差異があるものの、先進諸国に比べ、平均寿命や健康寿命が短く、HIV、結核、マラリアといった感染症が多く発生しています。一方で、心疾患、脳疾患等の非感染症は増加傾向にあります。医薬品、医療機器の多くは海外の支援によって導入されてきたこと、健康であることの意義を感じにくい国民性であること、水道や電気等のインフラの整備は進められているが、必要十分な状況ではないこと、ヒト・モノ・カネの面からアフリカ諸国に積極的に投資している国の存在感が増していることなど、医療機器展開を検討するうえでの課題を知りました。国際機関と連携しながら国際規格に準拠した製品を中長期的に展開するなど、公的機関や同じ目的を持つ企業と協力しながら取り組むことがポイントであると学びました。

 

第3回 検討会

日時 2019年6月17日(月)10:00~13:00
内容

検討会の冒頭では、受講生が自社製品を紹介し、今回のプログラムにおいて海外展開を検討する製品を検討しました。その後、ザンビアチーム、ベトナムチームのなかで、公的機関の支援スキームを活用しながら、製品をそれぞれの国へ展開するための問題・課題、解決方向を議論しました。検討結果を踏まえ、すぐに取り組めることについてはチームメンバーで分担し、検討を進めることになりました。

第4回 講義・実習「医療機器管理の実態を学ぶ」

日時 2019年6月25日(火) 14:00~16:00
講師 国立国際医療研究センター 医療機器管理室 深谷 隆史氏
内容

講義では、国内の医療機器に係る法規制やNCGMにおける医療機器の運用の仕組み、ベトナム及びザンビアにおける医療機器管理の実態と課題を学びました。新興国では院内で医療機器を修理し、耐用年数を超えて使用されていたり、ディスポーザブルな製品が再利用されている実態があることを知りました。一方で、海外からの支援により、院内には最新の医療機器が導入されており、旧式と最新式のものが混在しています。製品の展開にあたっては、現地に適した価格の設定、マニュアルの整備、メンテナンス体制の構築、医療スタッフの育成、医療機器管理の仕組みについて検討する必要があります。

 

第5回 検討会

日時 2019年7月5日(金)11:45~13:00(ベトナム)/ 2019年7月8日(月)10:00~13:00(ザンビア)
内容

これまでの講義や医療現場の見学、関係機関へのヒアリング等を踏まえ、ベトナム、ザンビアにおけるビジネス展開の方向性に関する仮説を検討しました。医療従事者が不足しているベトナムでは、国内とは違った使用者、使用場面、使用環境を想定しながら、ハード(機器)とソフト(サービス)の両面からビジネスを検討する必要がありそうです。ザンビアについては関連する統計データや、アフリカ諸国でビジネス展開している日本企業の動向を共有したうえで、連携すると良さそうな機関、企業を議論しながら、想定されるビジネスモデルについて検討しました。

 

プレ発表会

日時 2019年7月23日(火)10:00~12:00
内容

プレ発表では、ザンビアチーム、ベトナムチームともに、各国の保健医療の実態、その実態から見えてくる課題を踏まえたビジネスモデル、展開計画について発表しました。ザンビアについては天候やインフラから法規制対応、機器を使用する医療スタッフの育成に至るまでの幅広い視点で機器の使用環境を検討する必要がありそうです。ベトナムについては今回の検討対象であるリハビリテーション分野の実態を深掘りし、想定されるユーザーを明確にする必要があります。最終報告会に向けて、NCGMの医療スタッフをはじめとした有識者との意見交換、NCGMの臨床現場見学をおこない、ビジネスモデルをブラッシュアップしていきます。

 

第6回 実習「医療機器ハンズオン」

日時 2019年8月2日(金) 14:00~15:30
講師 国立国際医療研究センター 医療機器管理室 深谷 隆史氏
内容

実習では、生体情報モニター、輸液ポンプ、微細な針糸、血糖値測定器等の医療機器や鏡視下シミュレーション機器を手に取りながら、それらの機能、構造、性能を学びました。こうした医療機器の多くは小型化、無線化、遠隔操作といったキーワードが改良の鍵となります。シミュレーション機器については医療従事者のスキルアップを目的に、実際の手術の感覚を学ぶほか、所要時間を測る等、学習意欲を高めるための工夫が盛り込まれています。
医療機器の開発では、患者へより良い医療を提供できること、機器を操作する医療従事者の負担を減らせることが重要なポイントとなります。

 

第7回 実習「救命救急センターの実態を学ぶ~国内と海外の比較~」

日時 2019年8月26日(月) 17:00~19:00
講師 国立国際医療研究センター 救急科 小林 憲太郎氏
内容

救急救命センターの処置室と病棟を見学しながら、そこでおこなわれる処置や使用される医療機器について学びました。救急の現場では、壊れにくく、簡単に操作できる医療機器が求められます。医療機器の導入にあたっては、診療報酬点数の加算の可否など、病院経営を踏まえた仕掛け作りが重要となります。東京の救急搬送システムを含めた救急救命センターの仕組みへの理解を深め、そうした仕組みにおける医療機器の位置付け、提供できる付加価値を明らかにすることが国内及び海外における医療機器の展開時のポイントになると思いました。

第8回 検討会

日時 2019年9月4日(水)10:00~13:00
内容

プレ発表におけるフィードバック、医療スタッフへの個別のヒアリングを踏まえ、最終報告会に向けた検討を進めました。ベトナムチームは、製品の展開に際しての国内外のプレーヤーを明らかにし、それぞれへのアプローチ方法を検討しました。ザンビアチームは統計データの解釈を改めて議論し、ザンビアへの導入の方向性を検討しました。

 

第9回 実習「心臓カテーテル室の実態を学ぶ~国内と海外の比較~」

日時 2019年9月5日(木) 15:00~16:30
講師 国立国際医療研究センター 循環器内科 原 久男氏
内容

アンギオ室において使用されている医療機器、血管造影による治療の様子、院内のMRI、CTを見学しました。NCGMでは複数のメーカーのMRI、CTを揃えていることに特徴があります。見学後は低侵襲治療(インターベンション)を中心に、手技、バルーンやステント等の医療機器について学びました。循環器領域では新しい治療法とそれを実現する医療機器の開発が進められており、治療成績の向上につながっています。放射線機器の導入には、初期の設備投資や維持、買い替えのコストのほか、機器を操作しながら適切な診断、治療をおこなう医療従事者の教育が欠かせないことを知りました。

 

第10回 検討会

日時 2019年9月13日(金)10:00~13:00
内容

最終報告会に向けた模擬発表をおこないました。アドバイザーやメンターからは発表資料の構成、統計データの解釈、ビジネスモデル等について助言がありました。各チームがこれまでに学び、検討したことを最終報告会でわかりやすく、伝えられるよう、本プログラムの全体を振り返りながら、最終報告会での発表のポイントを確認しました。

 

最終報告会

日時 2019年9月25日(水)17:30~20:00
内容

・開会挨拶
  国立国際医療研究センター病院 病院長 杉山 温人氏
  東京都産業労働局商工部創業支援課 技術調整担当課長 横森 直樹
・ザンビアに関する報告
・ベトナムに関する報告
・全体ディスカッション
・閉会挨拶
  国立国際医療研究センター病院 医工連携推進室 室長 丸岡 豊氏
・修了式