令和5年度 医工連携研究会 開催レポート

令和5年度 医工連携研究会 医工連携の挑戦~事業化を見据えた医療機器開発~
 ※オンライン開催

日時 3月15日(金)15時00分~17時00分
内容

東京都産業労働局商工部 創業支援課 課長代理 川口 俊樹からの開会挨拶の後、東京都医工連携HUB機構プロジェクトマネージャーの柏野聡彦のファシリテーションで、医工連携研究会を開催しました。
基調講演には、自治医科大学 学長 永井良三氏をお迎えし、「医工連携における情報」をテーマに、わが国で推進される統合型ヘルスケアシステムの構築の最新動向についてご講演いただきました。
実践講演では、先端医療機器アクセラレーションプロジェクト(AMDAP)の事例として、スタートアップ2社が登壇しました。
1社目は、アナウト株式会社 取締役 熊頭 勇太 氏で「外科医の認識を支援する手術支援AIシステムの開発」をテーマにご講演いただきました。開発する製品は、手術中の構造物などの位置や領域をAIが認識し、外科医に見やすく提示することによって外科医の認識をリアルタイムに支援するというもので、医療機器開発の知見がなかった創業時から薬事申請までの道のりについても触れられました。
2社目は、Global Vascular株式会社で、代表取締役CEO尾藤 健太 氏と代表取締役COO 前川 駿人 氏から「細径動脈硬化性病変を長期に開存維持するハイブリッドナノコーティングステントの開発」をテーマにご講演いただきました。同社はクラスIVの高度管理医療機器で、重篤化すると虚血による下肢切断に至るため早期の治療介入が望まれる下肢閉塞性動脈硬化症に対するステント開発に取り組んでいます。医師とエンジニアが共に一つの目標を共有し解決すべき課題の発見から、課題解決のサイクルを繰り返しながら前臨床試験に到達したかなどを語っていただきました。
両社の講演の後には、永井氏からの講評がありました。
続いて、東京都医工連携HUB機構プロジェクトマネージャーの柏野からは、当機構の取り組み、連携する東京都中小企業振興公社、東京都立産業技術研究センターとの連携体制等を紹介。成果実績として国立国際医療研究センターとドクタージャパン株式会社が共同開発したハンズフリー吸引チップ(医療機器クラスⅠ:再使用可能な汎用吸引チップ)について、開発背景等を踏まえて紹介しました。
最後に総括として、一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫氏から、基調講演、実践講演について講評をいただきました。
本年度の医工連携研究会では、東京都の医工連携の取り組みとその進展を参加者に知っていただき、支援や相談を含め積極的に先端医療機器アクセラレーションプロジェクトや東京都医工連携HUB機構を活用いただくよう働きかけました。

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