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東京慈恵会医科大学
医師(10年以上)
経時的に膵臓癌患者数が増えている。膵切除は腹腔鏡下膵体尾部切除にくわえ、条件付きで腹腔鏡下膵頭十二指腸切除が保険収載された。しかし、膵切除後の再建(膵空腸吻合または膵胃吻合)は開腹手術であっても難易度が高い。また術後膵液廔は致死的になりうる重篤な偶発症であるが、5-20%と依然と頻度が高い。
デバイスが使われる疾患等の名称・概要
年間患者数
デバイスが使われる検査・手術・処置等
年間件数
医師
デバイスの進歩とともに大血管,末梢血管領域ともに血管内治療が広く普及してきた.末梢用の血管内視鏡は開発されているものの,大血管用血管内視鏡の開発はなされていない.大血管用内視鏡の開発によって,血管内治療手技の簡便化,放射線被曝低減のみならず,大血管疾患の病態解明につながる.
河北総合病院
医師(9年以上)
医療機器の革新・また技術の鍛錬により、患者さんにとってより侵襲の少ない腹腔鏡・胸腔鏡手術の適応が広がっている。\n一方、外科医師の少ない病院や、医師の少ない時間帯の夜間の緊急手術では、3人の医師を必要とする腹腔鏡の手術の適応が難しい現実がある。これを解決することで人手不足の解消、医療の低コスト化につながるのではないかと、考えている。\n
昭和大学
病院内において使用する車いすには様々な改良すべき点があるが,そのなかで最も大きな課題が乗り降りしにくいことであると思われる。今回その課題を解決したい。 歩行障害のある患者さんが対象となるのでスケールメリットは大きいと思われる。実現すれば病院側にもメリットがある。
東京医科歯科大学(特定非営利活動法人日本歯周病学会)
歯科医師
臨床現場では常に手袋を付けた状態で診療をしているため、問診や検査の記録/閲覧には、毎回手袋を外すか、キーボードをラッピングするか、アシスタントを付ける必要がある。特に歯周組織検査を1人で行う場合、非常に時間がかかり、さらに衛生面の問題がある。音声入力でほぼすべてがカバーできれば、効率化と衛生面の改善がはかれる。
国立がん研究センター中央病院
医師(7年以上)
手術などにおいて上級医がどの部分の剥離を行っているか、近傍にはどのような構造物があるかなどがわからないことがある。上級医にとっては当たり前の血管や神経も初学者や他科の医師にとっては名前すらわからないことがある。リアルタイムないしは録画データから、カーソルをあわせると血管の名前がでたり、典型的な解剖でいうとどのあたりをやっているかなど図示できるシステムが手術初学者には有益ではないかと考えた。
ロボット手術においてdryな術野維持のための浸出液・血液の吸引は助手の重要な役割であるが、従来の直線的な腹腔鏡用吸引管では岬角との干渉により骨盤深部において操作性が極めて不良となる。先端が曲がる腹腔鏡用吸引管があれば骨盤壁との干渉を回避して操作性の向上が見込まれる。
国立国際医療研究センター
開腹・開胸手術の際、手術室のライトを深部まで明るく照らすことが困難な場合があり、 ライトの調整に術者・助手や看護師の手を取られることがあり、円滑な手術の障害となる。 頭部装着型ライトは深部を照らすために、術者・助手の姿勢で調整するため、無理な姿勢で身体の負担になる事がある。術野の深部まで明るく照らし、術者・助手・看護師を煩わせない デバイスがあると、円滑な手術・観察に有用であると考える。
医師(17年以上)
鏡視下手術では術野をモニターを共用することで、実際の剥離ラインや重要な臓器をモニターに指示棒などでアノテーションしながら、手術指導が可能である。指導内容の録音・録画が可能なデバイスに、術者の視線が示せるようなツールが開発できれば、指導用アイテムしての活用することができる。現在この分野では開発が進むVRよりも簡便であり、即座に実用性が期待できる。
国立がん研究センター東病院
少し深いところにミクロレベルで残ったがん細胞は、大腸カメラとMRIでカバーできないため、表面から2mmくらいにある大きさ1mmのがん細胞を客観的に発見できるデバイスがほしい。
高齢化社会に伴い、排便機能障害の割合が増えてきており、この治療には特効薬もないことから継続的なリハビリテーションが有用な場合がある。このようなリハビリテーションの効果を評価したりリハビリテーションをサポートするデバイスは、排便機能障害を治療する医療者サイドにとって大きなニーズとして存在する。
医師(16年以上)
鏡視下子宮摘出手術では子宮をコントロールする子宮マニピュレーターを腟から子宮内に挿入することが必須である。しかし近年、悪性腫瘍手術ではマニピュレーターが播種を引き起こす可能性が指摘され、マニピュレーターが避けられている。術中に子宮をコントロールできず手術の難易度が増加して臓器損傷のリスクが増えており、腹腔内から子宮を把持してコントロールするデバイスを求められている。
手術中に子宮の位置を調整するマニピュレータ操作のために、現状では医師1人がついている必要があり、執刀医の指示によりマニピュレータの向きを変えるが、助手からはモニターがミラーイメージとなるため、操作がし辛い。また、腹腔鏡だと術者がサポートできるが、手術支援ロボットだと手が届かず、離れた場所から口頭指示で行っているが、なかなか思うような形で固定できないという現状がある。
医師(24年以上)
開腹手術の手術動画を録画する為には、天井に設置されたカメラによる撮影が一般的であるが、骨盤深部の操作や重要な手術操作においては、術者・助手の身体が邪魔となり肝心の見たいところが撮影できていないことが多く不十分な現状である。本格的にカメラマンに委託することもできるが、極めて高額費用が発生。録画機器は小型化を極め最新機器を生かし、現状の問題点を打開するような安価なシステム構築を目標とする。
昭和大学江東豊洲病院
小児病棟等において、医療者が乳幼児を移動させるときなどに児を抱負する機会がある。しかし胸ポケットにはペン等が入っており危険である。ペン等を別の位置のポケットに移しておいても、乳幼児の外来処置の時に、こちらが前かがみの状態になることが多く、ポケット内の物が落ちることが多い。 これらの解決のためポケットの位置の変更やポケットが改良されたスクラブや白衣があれば、需要があると予想した。
医師(20年以上)
【目的】予防接種時の疼痛を緩和【背景】予防接種において、皮下注射や筋肉注射のいかんに関わらず接種時の注射針の疼痛の問題は常にある。その対策の1つとして、接種前に局所麻酔薬のテープの貼付もあるが、薬物であり副反応や費用の問題がある。【方法】接種前に、接種部位へ冷却シールを貼付しておく。【期待される効果】予防接種の注射針による疼痛の軽減が期待できる。
東京大学医学部附属病院
腹腔鏡手術の適応となる疾患が徐々に増えているが、この手術の要となるのが手術参加者全員の目となる腹腔鏡である。小児はworking spaceが狭いためか、頻回に曇ることが起こり得る。事前にカメラをお湯で温めたり、曇り止めを塗ったりして工夫をしているが、必ず曇りが生じ、手術の中断を引き起こす。
注射の針と異なり、点滴の針は内筒と外筒で構成されている。点滴注射の場合、なるべく直線の静脈を同定し点滴針を穿刺。内筒に逆血があった時点でさらに奥にすすめ外筒を滑らせることで血管確保を行う。しかし小児の場合、まっすぐな部分が大人と比較しても短く、何度も点滴を刺されて経験がある児の血管は蛇行し血管確保が容易でない。
入院が繰り返され採血や点滴が頻繁に行われる患者さんは、健常な方と比べて穿刺できる血管が極端に少なくなる。赤外線を利用する従来の機械はあるが、大まかな血管の走行のみを描出し、穿刺に適した血管かの判別はできないのが現状。
小児の内服薬は体重換算で量の調整が必要である。しかし体重計算し処方しても主に苦味などの理由でコンプライアンスが悪い事があり、一緒にアイスやヨーグルトなどと内服を試みても内服が困難な事がある。
医師(6年以上)
外科では患者の病変把握のためにCTやMRIでの評価は必須だが、被ばくの問題や、小児の場合安静が保てないため鎮静をかける必要があり、成人と比べて非常に検査までのハードルが高いため、エコーでの評価が主である。しかし、エコーは個人の技量が強く影響し、かつ、実際に検査をしている人しかわからないもので、客観性がCTやMRIに比べて低いのが問題である。エコーを使って新しい画像評価ができないか。
全国には人工肛門を付けている人がたくさんいる。人工肛門の問題点はその見かけもそうだが、それ以外にもまだ問題がある。
成人・小児問わず、入院患者の多くにSpO2(経皮的酸素濃度)モニターや心電図モニターをつけることが多くある。しかし、問題点があるので、それを解決したい。
小児は安静が保てないため、処置をやるときにはネットでぐるぐる巻きにする。しかし、見た目がよくない。
小児は血管が細く、採血が困難な場合が多い。手のひらからライトを当てて血管を透見できるようにする道具があるが、部屋が明るいとみられないし、暗いと血が返ってくるのが見られない。
鼻血が良く出る人がたくさんいる。朝の忙しい時に、出てほしくないときに出て困っている人は多いと思う。
小児外科でも成人と同様に腹腔鏡手術・胸腔鏡手術が発展し、特にフレキシブルスコープの登場は非常に有用であったと思う。しかし、細経化は進んできているが、実は細いだけでは小児では使いにくい。成人と違い体が小さいため、従来のフレキシブルスコープでは可変部が大きいすぎるために使用しにくいのである。
腹腔鏡の練習は腹部外科医(消化器外科・小児外科・産婦人科・泌尿器科)にとって必要なスキルである。いろいろな練習方法はあるが、正直面白くないものが多い。楽しく練習が続けられるような、そんなものが欲しい。
東京大学医学部付属病院
小児外科でも成人と同様に腹腔鏡手術・胸腔鏡手術が発展し、特にフレキシブルスコープの登場は非常に有用であったと思う。しかし、細経化は進んできているが、実は細いだけでは小児では使いにくい。成人と違い体が小さいため、従来のフレキシブルスコープでは可変部が大きいすぎるために使用しにくいのである
外科では患者の病変把握のためにCTやMRIでの評価は必須だが、被ばくの問題や、小児の場合安静が保てないため鎮静をかける必要があり、成人と比べて非常に検査までのハードルが高いため、エコーでの評価が主である。しかし、エコーは個人の技量が強く影響し、かつ、実際に検査をしている人しかわからないもので、客観性がCTやMRIに比べて低いのが問題である。エコーを使って新しい画像評価ができないか
自治医科大学
嚥下障害はあるものの消化管の機能に問題がない患者には、経鼻栄養チューブを用いて経管栄養が行われる。チューブ挿入では気管への誤挿入を回避するため、気泡音やpH測定、X線撮影等により確認するが、確実性の低さや簡便でないなどの問題がある。特に在宅にて家族が栄養剤注入前にチューブの位置確認を行う場面や、誤抜去時に再挿入する場面では、安全・簡便・客観的に位置確認できる方法が求められている。
千葉大学医学部附属病院
看護師
小児病棟では入院の注意事項や手術の内容などを親御さんに説明し同意を得るだけでなく治療を受ける小児患者本人にも内容を理解して納得してもらう必要がある。しかしながら、小児は時に注意も散漫で自分自身のことと理解してもらえないことがしばしばある。また、入院の翌日に手術といった場合、スタッフとの関係も十分ではなく、話をしっかり聞いてもらうことが難しい。家族の協力を得ながら、患者が理解できるような工夫が必要。
医師(33年以上)
小児がんの一つである神経芽腫の重要な腫瘍マーカーとして尿中VMA(バニルマンデル酸)と尿中HVA(ホモバニリン酸)がある。いずれも診断及び治療効果判定に有用で日米欧諸国では多用され、測定は液体クロマトグラフィー質量分析法で行われている。しかしながら、小児がん患者の80%が存在する低中間所得国ではこの検査は行われず、診断や治療効果判定に難渋しており、より簡便な方法の開発が求められている。
昭和大学病院
医療施設用小児ベッドは転落防止柵を設けており、上段・中段・下段の高さに手動で変えることが出来る。そのため保護者および医療従事者が児から目を離す際は柵の高さを上げるよう啓発しているが転落事故の報告が毎年あり、改善がみられていない。また転落事故後の合併症の報告もある。柵の上げ忘れなどは更に多いことが予想される。このような現状を踏まえ、転落事故防止を強化した医療施設用小児ベッドはニーズがあると考える。
医師(19年以上)
【背景】乳幼児における点滴に使用では、点滴の抜去の可能性があるため、やむなく手にミトンを装着し、予防することを行っている。しかし小児の体格にあったミトンには限りがあり、適切な種類を揃えることが必要である。ミトンの使用により、点滴の侵入部の観察が難しくなるため、材質の変更等の検討も望ましい。【期待される効果】適切なミトンの作成は医療トラブルが減少する。
【背景】予防接種の現場において、皮下注射、筋肉注射のいかんに関わらず接種による疼痛に抵抗がある人はいる。その対策方法は数少ない。【方法】接種前に、接種部位へ冷却スプレーと同等の機序のものを噴霧する。冷却温度や噴霧時間は、疼痛の緩和の割合と組み合わせて検討する。【期待される効果】予防接種前の短時間で、身体への影響なく接種による疼痛を軽減できる方法の1つになる。
【背景】Covid-19肺炎では無症候性の肺炎を認めることもあり、SPO2の低下から推測される。スマートウォッチではこれらは測定可能である。しかし現場ではバイタルを各々測定している。【方法】スマートウォッチに、自動血圧計を合わせたデバイスにより、全バイタルの測定が可能である。【期待される効果】簡便に肺炎や状態のスクリーニングが可能である。
出生直後の新生児の低血糖症は臨床的所見に乏しく、診断・治療が遅れると予後が不良である。そのため、リスクの高い児は出生後頻回に血糖値のチェックが必要となる。ただ、血液検査が必要なため、親の不安が大きくなることのほか、感染症や皮膚障害のリスクも無視できない。
出産に立ち会う医療スタッフは新生児蘇生法(NCPR)により対応する必要がある。全出生時の15%以上に何らかの蘇生処置が必要と言われており、積極的な蘇生処置が必要な児の場合、心拍数の早期把握のために心拍モニターの装着が推奨されているが、分娩時に心拍モニターが常備されている施設はまれである。
神経障害をきたした新生児の場合、脳圧のモニタリングをすることは全身管理の上で有用だと考えられるが、現在、新生児の脳圧を観血的に(あるいは非観血的に)モニタリングできるNICUはほとんどない。大泉門の触診で脳圧を推定することが一般的であるが、他覚的かつ客観的に脳圧を計測することができれば、児の管理に有用と思われる。
新生児・乳児の尿検査はしばしば行われる。ただ、既存の採尿パックではテープの粘着力が高く(高くないと剥がれやすくなる)粘着部位の皮膚の発赤、損傷が高頻度に発生するため、特に皮膚の未熟な新生児・乳児期早期では検体採取が困難、かつリスクを伴う。侵襲の少ない採尿方法が望まれてる。
新生児集中治療室(NICU)で使用される保育器(閉鎖式保育器Incubator)は、外部からの微生物の侵入を阻止するとともに、内部の保温と加湿を行うことが主な役割である。近年、保育器の性能は年々進歩し、性能は向上しつつあるが、高湿度や高環境温が問題となるケースがある。現在、市販されている保育器には除湿、あるいはクーリングの機能はなく、こうしたケースでの器内環境のコントロールは困難である。
現在、顔面神経麻痺は国内での患者数は約5万人/年がおり、手術もしくはリハビリにより回復する。リハビリの場合、個人でマッサージや表情のリハビリを実施する必要があり、筋肉の萎縮を防ぐマッサージを生涯続ける、もしくは麻痺のある状態で表情のリハビリを実施するしかない。そのため、効率的なリハビリの実施方法が求められており、リハビリ器具があればその補助をすることができる。
東京女子医科大学
通常用いる圧モニターは専用の機器に接続が必要でありICUでの使用は可能であるが一般病棟での使用が困難になる。 測定器を小型化し、bluetoothなど無線でPC等へデータを送信できれば利便性を向上することができる。
顔面骨折に対する三次元実態モデルを用いたシミュレーション手術が普及して久しい。画像解析ソフトで整復モデルを作成し術中に整復位の指標として用いるのが一般的な使用法だが、この整復モデルは健側のミラーイメージを骨折部に重ね合わせて作成されることが多く、その精度は必ずしも高くない。整復後の形態をデータ上で作成するための、別のアプローチを模索している。
医師(15年以上)
現在存在する手術用顕微鏡は大きく重く,運搬やセッティングに時間を要し、複数台使用する手術ではぶつかってしまい同時使用に困難を要する。卓上顕微鏡であるとその大きさは小さく、持ち運びも用意となる。 顕微鏡がもっと軽く、小さくなればそれらの問題も解決する。
頭蓋内圧の亢進を把握することは,急性疾患、慢性疾患いずれにおいても臨床上きわめて重要な情報である。特に形成外科においては患者に小児が多く含まれる。しかし,実際に計測するには侵襲的な方法しかないため,患者の負担は大きく,感染のリスクもある。非侵襲的な測定方法が望まれている。
乳房再建などにおいて,皮膚を拡張する目的で生理食塩水バッグが使用される。外来で徐々に生理食塩水を追加して皮膚を拡張していくが,適正な注入量や圧についての調査はなく,手の感覚のみで行われている。現行の方法では患者には疼痛や合併症のリスクなどの不利益がある。
四肢リンパ浮腫の治療は可能な限り早期に取り組んだ方が良い。しかし,命に係わる疾患ではないために進行しないと医療機関の受診まで到達しない。写真を含めたスマートフォン入力レベルの情報で,未病リンパ浮腫の早期発見や最適な管理の推奨を提供できるようにしたい。
医師(13年以上)
形成外科は、エコー下に細い血管を同定し、術前マーキングを日々おこなっている。しかし、エコー下のマーキングは煩雑で曖昧であり、エコーを外し、おおよそエコーの中心であった部位にシリンジなどを使い皮膚に跡を付けた後、ゼリーを拭いて油性マジックで印を付けているというのが現状である。エコーを用いながらのマーキングができないか。
手術用顕微鏡を用いたマイクロサージャリーは再建外科手術に不可欠であるが、対眼レンズを介しての助手の操作は助手の頸部・腰部に負担となる。また、術野外の助手や器械出し・見学者は2D画像モニタからの観察となり、術者の視野とは異なる。3D顕微鏡システムが開発・導入されたが、数千万円以上と高価で嵩張るため移動が困難である。安価でコンパクトな簡易型3Dマイクロシステムの開発が望まれる
マイクロサージャリーは再建外科に不可欠な手技であり、微小血管をクランプして一時的に血流を遮断して吻合する必要がある。通常のクランプは血管のみにかけるため、胸壁・腹腔内における微小血管吻合では、クランプした血管ごと術野が大きく動くため、技術的ハードルが高い。体外固定式のマイクロクランプを用いることで、安全・容易なマイクロサージャリーが可能となる
慶應義塾大学病院
無影灯のライト内、もしくは無影灯とは別の天井アームにビデオカメラを備える手術室は見られるが、現状ではビデオカメラは有効に活用されていない。要因はカメラを操作する人員がいないこと、カメラの操作よりも治療対象患部への安定した照明が優先されることなどである。手術の映像において、最も必要な情報は治療対象患部への医療操作の内容であるが、術者の体が遮って患部が見えないことも多い。
帝京大学医学部附属病院
医師(30年以上)
顔面神経麻痺の患者においては閉瞼困難を呈し、疼痛や流涙が生じ日常生活に著しい不自由をきたす。治療として、重さ1.4g程度の金のプレートを上眼瞼に埋入することで重さの負荷をかけ起立時に閉瞼を可能にさせる方法がある。しかし金のプレートは特定保険医療材料ではないので健康保険が適用されない。保険適応を念頭に置いた金のプレートの作成、あるいはほかに適した材質のものの試作などで協力が頂きたい。
北里大学医学部(北里研究所病院)
医師(21年以上)
上眼瞼など顔面の手術においては手術前後で距離の計測が必要になる(例:眼裂径、内眼角間距離など)。 計測においてはメジャーなどを用いるが、0.5mmなど細かい部分は曖昧になりがちで、再現性も低い。また、診察中に行うため時間がかかることが問題である。
東京都済生会中央病院
心房細動アブレーションに際し、カテーテルアブレーション先端を心房内の標的部位への固定することに難渋することがある。より安定した固定が得られるカテーテルの開発にご協力をいただきたい。
日本医科大学附属病院
経動脈カテーテル手術中には迅速抗凝固能測定が必須であるが、現行のものは正確さに欠ける。
在宅患者に点滴が必要なことは多い。点滴が終了した場合の末梢カテーテル刺入部の処置は医療者でなければ行ってはならないことになっている。このことが在宅医療サービス提供者の負担になっている。
末梢静脈へのカテーテル挿入が難しいことはしばしばであるが、肘静脈へのカテーテル挿入は容易である。しかし、肘関節の屈曲により薬液の注入が阻害されるため、持続点滴を行う場合には肘静脈の確保はタブーと考えられている。
中心静脈や深部動脈の穿刺は多くの場合盲目的であり、しばしば難渋する。この手技を容易にしたい。
中心静脈穿刺の際には穿刺針にシリンジを装着し、持続陰圧をかける必要がある。このため、穿刺針を持つ術者の手の動きは制限される。この問題を解決したい。
不整脈に対するカテーテル・アブレーションを行う場合、冠静脈洞へのカテーテル挿入は必須である。しかし、この手技が容易でないことがしばしばある。
心タンポナーデは致死的疾患である。カテーテル手技中に起こる最も重篤で、最も緊急を要し、かつ頻度の高い合併症でもある。加えて、この病態を解除する手技である心のうドレナージは、ほとんど常に高い習熟度を要する。
セルジンガー法は医師の基本手技である。医学生や研修医がこれをリアリティーをもって練習するデバイスが必要である。
心房細動カテーテル・アブレーション中には頻回のactivated clotting time (ACT)測定とそれに基づくヘパリン投与を行う必要がある。この操作は頻回であるため術者を煩わせ、かつACT値は採血者によって値が変動する。
カテーテル・アブレーション施術時のほぼ全例で、冠静脈洞に電極カテーテルを留置する。冠静脈洞は解剖学的バリエーションに富んでいるため、この操作にしばしば難渋する。その場合、ワイヤー・ルーメンを有するカテーテルにガイドワイヤー併用して留置するが、ワイヤーの出し入れが煩雑である。
医師(14年以上)
近年、総合病院~診療所まで幅広く電子カルテが使用されている。しかし、画像データなど一部の情報を除き、紙運用されているのが実際である。紹介医からの情報が容易にデジタル化される仕組みや血圧や体重などの測定値が電子カルテへデジタルデータ入力される仕組みがあれば診療時間の効率化へつながる。
心不全の管理に尿量や体重に加え、血液、尿所見、胸部X線、エコー所見などから総合的にうっ血の状態を判断し、水分管理を行っているが、臨床の現場では容易に脱水傾向となり、腎機能障害を併発することが多い。近年、体組成計を用いた水分管理を行うことが多いが、機器が大型であり容易に使用困難である。
静脈穿刺や胸腔・腹腔・心嚢腔穿刺の際、エコーガイド下に穿刺を行うが、針先端がどこまで進んでいるか不明のまま、針先を進めていくことが多い。血管内や体腔内に針先端が進んでから、外筒を留置するまでに数mm程度のギャップがあり、この際各種臓器を誤穿刺してしまう可能性がある。
閉塞性動脈硬化症は下肢動脈(主に腸骨・大腿動脈)に狭窄や閉塞を生じ、間歇性跛行や重症下肢虚血を呈する。治療に際して、血管造影に基づく血管内治療が行われる。近年、放射線被ばくや造影剤による腎機能障害を避けるため、超音波検査ガイド下で行うことが試みられている。しかし、血管内治療ガイドに特化した超音波機器や超音波造影剤が無いため、広く普及していない。
静脈血栓症は、エコノミー症候群として広く知られており、地震等の災害関連死にも関連していることが明らかになっている。その診断には、超音波検査が用いられるが、血栓の描出に難渋することが多い。
現状では、診療情報提供書とお薬手帳でのアナログのデータやりとりであるが、検査成績などある程度統一したフォーマットで開業医からの専門医施設への紹介だけでなく、専門施設からの開業医への逆紹介での病診・病病連携を推進することで、臨床研究や治験症例の獲得が可能になり、医療情報共有が可能になるデバイスを開発したい。
頓服薬を服用した際の症状経過や服用時刻,回数といった情報は診断加療に有用である。しかし,現在は患者記録から情報を得ており,体調不良時や外出時など記録困難な場合は正確な情報を確認できない。さらに,処方時の指示と実際の服薬状況が異なる場合もある。そのため,頓服薬服用時の状況を容易かつ半自動的に記録・確認できるような機器があれば有用と考える。
冠動脈形成術では造影剤を使った状態確認とワイヤー挿入を繰り返す過程がある。造影(5秒程度)し、末梢や枝の走行を目視、記憶し、ワイヤーを挿入する。このワイヤーが正しい位置に留置されているかを再度造影で確認する。これらには非効率な造影剤使用と透視時間を多く含んでいる。特に本幹から枝分かれした血管にワイヤーを導く際には血管の入口の向きが分かりにくく苦労することがあり、造影剤量、透視時間などが多くなる。
獨協医科大学日光医療センター
医師(31年以上)
動脈は、複数回分岐して毛細血管にたどり着き臓器に酸素や栄養素を運搬する。微小血管を流れる血液のミクロな流動性(サラサラ、ドロドロ)は、動脈硬化性疾患(心筋梗塞、脳梗塞)などの病態生理に影響を及ぼす。未病の段階で血液流動性を評価し心血管イベントを予防し抗動脈硬化薬の薬効を知ることができれば有用だが、現状、臨床的に評価する指標は限られている。
獨協医科大学
医師(25年以上)
下肢静脈うっ滞症状の緩和、下肢静脈瘤悪化予防に弾性ストッキングが使用されているが、ストッキング上端の固定(ゴム)部分に痛みやかゆみが生じたり、着用中にずり落ちたりするなどして、快適に使用できないという患者の声を聴くことが少なくない。肌に優しくずり落ちにくい弾性ストッキングの開発をお願いしたい。
鹿児島大学大学院
内視鏡外科に使用する鉗子は、様々な種類が各社より発売されているが、どの鉗子も作りは同じもので、多様性に乏しい。私が考案する新しい鉗子は、鉗子の先端部分が、自在に変化する鉗子です。実際の手術では、鉗子で出しい入れをできるだけ回避する方が良い。そのためにも、鉗子の先端部分を出しい入れせずに変換できる鉗子は求められると考えます。
医師(22年以上)
重症COPDや開心術後の患者にはO2療法が必須であり、マスクでも不十分な場合ハイフローセラピーが行われる。ハイフローは壁配管や固定電源が必要なため、リハビリがベッド上かその周囲に限られる。現在1型呼吸不全に適応となった在宅用の「バッテリー機能を有するハイフロー装置」が発売されているが、この小型ハイフローを搭載可能な歩行補助器は現行なく、リハビリを要する疾患だけに搭載可能な歩行補助器を開発したい。
動脈穿刺や、中心静脈穿刺の際の合併症には致死的なものが多く含まれており、実際の臨床の場ではエコー下の穿刺が推奨され、また患者さんに実施する前には、何らかのoff the job training で経験を積んでから実施することが望まれる。しかしながら、エコー下血管穿刺の簡単で安価なトレーニングキットは存在せず、off the job traning の実施を困難にしている。
近年、心臓手術並びにカテーテル治療後の心不全患者に対する心臓リハビリの有用性・重要性が認められ、心臓リハビリを行う患者数は急激に増加してきている。その一方で、入院中の心臓リハビリを安全に且つ有効に行うためのモニタリングシステムはほとんど使用されていない。心臓リハビリ中の生体情報をリアルタイムに監視・評価すると共に運動負荷の記録を同時に行えるモニタリングシステムが望まれる。
医師(23年以上)
在宅療養支援として、リアルタイム心電計、パルスオキシメータ、血圧計、非接触・非拘束・非侵襲マット型センサーによる心拍・呼吸・体動見守り機器等が使用されているが、臨床現場に広く普及させるためには、各データの受信・送信、データの表示に関して問題を抱えている。開発・研究が今後必要と考えている。
看護師(22年以上)
医療関連感染を防止するためには手指衛生が有効であり、その実績は手指衛生剤の使用量を測定することとしている。消毒剤の種類に拘らず簡便に消毒剤の使用量を計測でき、一定期間の使用状況を計算できるようなソフトウェアを開発していただきたい。
国立成育医療研究センター
臨床工学技士
補助循環システムにはトランジットタイプ型の超音波流量計が搭載されていますが、複数の箇所を測定したい場合、追加で流量計が必要となります。最近では2点流量測定できる補助循環システムも販売されていますが、高価格であり、追加で流量計を用意することを困難にしている一つの要因となっています。
「補助人工心臓」や「補助循環」などの装置で形成された血栓は、脳梗塞などの重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、日常管理で早期に発見することが重要となります。市販のライトを使いながら血液ポンプや回路チューブを目視にて確認していますが、ライトの種類や周りの明るさ、血栓の大きさや色、形成された場所によって見やすさが異なり、血栓の有無の判断が難しく、非常に手間を要しているのが現状です。
在宅移行で患児が人工呼吸器を使用する際、介護者となる家族は機器の取り扱い方法や回路の組立て方など事前に覚えるべきこと多く、そのサポートは主に臨床工学技士が行っています。しかし、トレーニングの場所や時間的な制限があること、担当する臨床工学技士の人員不足などの問題があり、介護者自身で効率的に学習できる新たな教育ツールの開発を必要としています。ソフトウェア開発や出版に関連する企業の協力を求めています。
医療法人財団川野病院
看護師(12年以上)
術中、ガーゼや器械等のカウントが合わず、手術を一時止めて探し、見付からない場合、ポータブルレントゲンにて確認をすることがあります。それにより、手術・麻酔時間の延長、患者への身体的負担の増大、レントゲンによる被爆、人の手配による更なる人手不足、医療従事者の精神的な負担が考えられます。マイクロ下で使用する針等小さな物も発見できるような装置ができてほしいです。
整形外科、主に人工関節手術で着用するヘルメットですが、中のファンの調整が難しく、効き過ぎると術中指示などが聞こえにくく、効きが悪いと、息苦しく感じます。また、術後の首への負担、固定を閉めすぎると頭痛が出たり、額に跡が残り、特に女性は髪のまとめる位置を調整しなくてはなりません。簡便な物になるよう改善したい。
主に整形外科で使用されるSBドレーンは、ボトルとYチューブ、ドレナージチューブの接続部分が、引っ張られても抜けにくい構造にはなっていないため、術後退室前に、医師や看護師がその2カ所をテープや余った糸で固定をしています。退室前は忙しく、時間のロスとなり、また、患者への処置以外でのテープの消費も問題点となります。術後に固定をしなくてもいいよう、接続部分に「ロック機能」などを取り付けてもらいたい。
千葉県がんセンター
手術室では、針やガーゼ、微小な破損を術野で捜すことが多々あり、 手術を中断し周囲を捜索する。 早く手術を進めたい外科医と、探し出して患者の安全を確認したいNs、それぞれがヤキモキする。 こんな場合に、ポータブルレントゲンよりも、もっと小型で滅菌状態で臓器以外の物に反応する機器はないだろうか? 遺残を防ぎ安全の確保、手術時間の短縮、医師のイライラ予防に繋がると考える。
手術医療の中でも体内異物遺残を防止することは重要なミッションである。しかし,手術中にマイクロ針付き縫合糸が紛失してしまうことがある。紛失した場合,手術チームで協力して手術室内のあらゆる場所を捜索するが,マイクロ針は3㎜~6㎜程度と小さくは捜索が極めて困難である。また,レントゲンによる確認も困難である。患者の安全を確保するためにも,マイクロ針付の縫合糸の紛失を防ぎたいと考えている。
透析患者のシャントが手術の体位固定による圧迫でつぶれることがないよう、独自で作成したアクリル製保護カバーを使用している。しかし外力による圧迫からシャントを守るため大きく頑丈な構造である。術者の邪魔になることが多く、硬い素材はシャント部位以外に接触すると皮膚障害や神経損傷を招く。シャント保護機能はそのままで、患者の他の部位に接触しても優しい素材で、医療者の操作の邪魔にならない保護カバーが望まれている
マイクロビーズを用いた陰圧型体位固定具は手術室に欠かせない用具の一つであるが、陰圧形成前に処置を行うと患者の自重で内部のビーズに偏りが生じる。偏りの修正には多くの時間と労力を要し、不十分だと術後の皮膚障害や神経損傷のリスクが高くなる。また素材が冷えやすく蒸れやすいため術中の体温管理に難渋している。内部ビーズの偏りが少なく、通気性・吸水性の高い表面素材の体位固定具が強く望まれている。
東京大学医科学研究所附属病院
人工呼吸器マスクは、海外製品が多く、アジア人の骨格に合っていない。 最近、ある日本企業がアジア人の骨格に適したマスクを開発した。アジア人の骨格に合わせたマスクを選択することで、従来の海外製と比較して、リークの低下による治療効果の増進、医療機器関連褥瘡の低減に繋がることが示唆されている。しかし、よりフィットしたマスクの実現に向けては、改善の余地がある。
医療法人社団明生会東葉クリニック大網脳神経外科
透析患者( 約33万人)は、高齢化により血管に針を刺すことが難しい。エコー画像を見ながら血管に針を刺すことで失敗や疼痛を軽減できる。(全国914透析施設で年々増加)エコー画像を見ながら血管に針を刺す手技は訓練が必要なので、こんにゃくや市販のエコー訓練キットを使用しているが、血管に針が入る感覚が全くないので実践には向いていない。繊維・樹脂またはファントムを扱える企業を求めています。
日本歯科大学歯学部(日本歯科審美学会)
ホワイトニングでどれだけ歯が白くなったのか、また後戻りしたのではに対して数値的に答えられない。ホワイトニングでの数値的確認が必要性がある。
国際医療福祉大学
放射線技師(14年以上)
放射線治療では正常組織への放射線の影響を最小限にするため、事前に精密な治療計画を立てる。「ゲル線量計」 は治療計画の三次元的放射線量評価の一つとして検討されている。ゲル線量計はポリマーゲルを専用容器に入れたものが主流だが、容器の酸素透過性やゲルの廃棄処理などの課題がある。脱酸素性や反応速度等の品質が安定した材料(ゲル化物)や、現状よりも取り扱いしやすい線量計が望まれる。
作業療法士・理学療法士
放射線計測の問題点とその対応
放射線技師(11年以上)
現在のMRI検査ではヘッドフォンや耳栓を使用しながら行うのが主流である。しかし使用している耳栓はフィット感が弱く、個人差があるため検査の途中で外れやすい。検査音がとても大きいため、遮音性が悪いと検査後に耳鳴りが続いてしまうケースがある。そこでフィット感が良い、付けやすい、外れにくい、遮音性の高い耳栓の改良を試みたい。
放射線技師(10年以上)
放射線技術部では、単純撮影において再撮影を防止、画像の再現性を向上させるために、撮影部位や撮影方法に合わせた撮影用補助具をスタッフが考案し自作している。自作のため、作成には時間を要し、かつ個体差がある等の問題があり、1つの病院で作成した補助具を他の病院で同様の補助具を作成し使用することは難しい。患者さんに余計な被ばくをさせないために精度のよい補助具を量産し、多くの施設で使用できるようにしたい。
昭和大学藤が丘病院
放射線技師(25年以上)
一般撮影装置の寝台は、撮影のために天板が頭尾方向、左右方向に自由に動かせるようになっている。そのため、患者がベッドの縁を持つと指を挟んでしまうリスクがある。指挟み防止のため、寝台の天板横にビニールシートを付けたが、薄いため患者が寝台縁を握ってしまい、指を挟みそうになり危険である。そこで、既存の寝台でも簡単に取り付け可能、かつ撮影の邪魔にならない、指挟み防止が欲しい。